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実際のところ他人に興味がない人は優しいの?
他人に興味がない人の特徴から見えてきたように、他人に興味がない人の中には「自分も他者も尊重している人」と「自分中心な人」の2つのパターンがあるのではと考えます。
つまり、「他人に興味がない」ということ自体が悪いことなのではなく、「人に興味がなく、自分中心的な人」の場合は、人によく思われないということ。
たとえば、他人に興味がないがゆえ、自分が他者に与える影響も気にしないといった具合などがそうです。そのような人は、「あなたのため」と強く干渉したり、「こうすべき」と強く意見を言ったりするなどの行動が見られます。
一方で、他人に興味がない人でも、自分も他者も尊重するといった姿勢で生きている人は、優しさに偽りはありません。
変に相手に干渉せず、人は人、自分は自分と客観的に関われるからこそ、いざ助けを必要としている人がいる時に、手を差し伸べることができるのですね!
中には、人に関心がなく怒らない人は「本当の優しさがない」「相手のことを本気で想っていない」と思う人もいるかもしれませんが、相手をコントロールせず、自立を促すといった関わり方をしているといった意味では、それも優しさなのではと私は考えます。
「優しさ」という言葉には、人それぞれの解釈があり、その概念も違います。そういった意味では、周りにいる人などの環境や自らの体験によって、「他人に興味がない」=「優しい」という考え方が「正しい・正しくない」と判断されるのです。
ちなみに、そもそも人が嫌いなのかも…と思う人は、こちらの記事が参考になります!
異国の地で気づいた優しい人の概念と他者との関わり方
ところで、日本人って「優しい・謙虚・温厚」などのイメージがありますよね。一概には言えないというのは承知の上で、私は日本人ってけっこう「他人に興味がない優しい人」なんじゃないかなって思うんですね。
「優しさとは?」という切り口で、ここからは私の体験をシェアさせてください。
これは、私が現在活動の拠点としているモロッコで生活していた時の話です。モロッコの観光地では、だいたい人が集まるような路上で「お金を恵んでください」と座っている人がいて、はじめは「外国人だからお金をせびられている」と思っていたんですね。
ところがモロッコで生活をするようになって、観光地ではなくとも、どこの街にもこのような人がいて、現地の人が小銭をあげている姿を目にすることがたびたびあったのです。
その姿を見た時、私は結構衝撃を受けました。
というのも、お金を渡している現地の人たちは、裕福な家庭でもなく、どちらかといえば少ないお金の中でやりくりしながら生活をしている人がほとんどだったからです。
お金を渡すことの善悪は置いておいて、私がここで感じたのは「見ず知らず人」への関わり方が日本とは全く違うということ。
たとえば、私自身も何か困った時、見ず知らずのモロッコの人たちが手を差し伸べてくることは本当によくあります。それは、私が外国人だからに限った話ではないことは、彼らの暮らしの中から見えていました。
彼らは、助けを必要としている外国人や見ず知らずの他人などに対しても、「何か自分にできることはるあるかな?」という思考が働く人が多いのです!
世界には、環境や文化ならではの「優しさ」がある
お話ししたエピソードからもわかるように、モロッコの人たちの「優しさ」には、慈善や人情などの、見ず知らずの他者に対しても思いやるという概念が強いです。
そう考えてみたら、日本の人たちの「優しさ」とモロッコの人たちの「優しさ」は、種類が違うのだなと思ったんですね。
日本人の「優しい」には、「他人に迷惑をかけない・相手を嫌な気持ちにさせない」という他者への配慮という概念が含まれているので、「謙虚・温厚」といったイメージが強いのも納得できます。
裏を返せば、「他人に助けを求めること」は、「他人に迷惑をかける」ことと同義と考える人が多いので、迷惑をかけられることを嫌う日本人は、見ず知らずの人にあまり深く関わらないとも言えます。
そんな背景を考えると、日本人の中には「他人に興味がない」という人がいるというのも、あながち少なくはないのかなぁと感じています。では、日本人は冷たい人が多いのか?と言えばそうでもなく、単純に「人にあまり介入すべきでない」という考えが根付いているのかもしれませんね。
こうやってみていくと、世界には、環境や文化ならではの「優しさ」があるというのは間違いありません。
大切なのは、自分がどう他者と関わっていきたいのか?どんな距離感が心地よいのか?を知っておくことで、自分の心地よい環境を選択していくことです!
自分が心地よい他者との関わり方とは?
ここまで見てきたように、「他人に興味がない」に対しての感じ方も人それぞれですし、「優しい」に対しての捉え方も人それぞれです。
私はモロッコで生活するようになって、見ず知らずの人に対しても、手を差し伸べたり、自分にできることがあれば何かしてあげる…というあり方にとても感動しました。
よく考えてみると、私はずっと「一人でなんとかしなければならない」「自立して生きていかなければならない」と、他者に助けを求めることはいけないことだと思って生きてきたので、その分きっと感動が大きかったのでしょう。
でも感動したということは、本当は「もっと人と助け合って生きていきたい」「そういう人たちと関わっていきたい」という願いが自分にあったんだな…ということに気がつき、日本にいる時も他者との関わり方が変わっていきました。
それまでは、あまり人に興味がありませんでしたが、今では目の前の人に興味を持つようになったという変化もありました。
一方で、人によっては、「あまり深い関係でない人に関わる」ということが、お節介に感じたり、心地よさを感じなかったりする場合もあります。
自分が心地よい他者との関わり方とは、どんな関わり方なのか?せっかくこの記事にたどり着いてくださったので、ぜひ自分に問いかけてみてくださいね。
結局のところ、自分が心地よい他者との関わり方は自分にしかわかりません!
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