会社や家で怒鳴ってしまった後に「あー、またやってしまった・・・」と自己嫌悪に陥ってしまうことありますよね。
穏やかな口調で人を諭すことができたり、自分だと怒ってしまうような状況でもニコニコしている人を見ていると「なんで自分はすぐ怒ってしまうんだろう。どうしたらすぐ怒る人を辞められるのか」と悩んでいる人も少なくないです。
怒ることを辞めるために本を読んだり怒らないように意識してみたり、数日間は怒らずに過ごすことができて「自分もすぐ怒る人から卒業できたー」と喜んだのもつかの間、また同じことを繰り返してしまい、ますます自分を嫌いになってしまうという悪循環に陥ってしまったりもします。

私自身、代表になれそうなくらいすぐ怒る人です。怒らないように色んなことを試しては失敗してを繰り返していました。
怒るたびに「自分はダメな人間だ」と責めるだけでは、怒ることを辞められませんし自己固定感が低くなってしまいます。大切なのは、怒る自分はダメじゃないと知ることと、怒らないようにするにはどうすれば良いのかを考えることです。
今回は怒る自分と上手に付き合うために怒りの原因を知り、考え方や対処法をお伝えします。繰り返し実践していくことで、笑顔の時間が増えていきます。怒る自分も含めて自分のことを好きになると、怒ることが減りご機嫌で過ごせるようになりますよね。最後まで読んでできることからやってみてくださいね。
目次
『怒る』とは、どんな状態?
まずは「怒る」とはどういう意味なのかをみてみましょう。
2.よくない言動を強くとがめる。(goo国語辞書より)
怒るは「起こる」と同語源で、「感情が起こる」状態です。
怒ってしまう状況も色々あります。仕事でミスをされたときも最初は我慢していたのに何度も同じ間違いをされるとさすがに我慢できなくなり怒ってしまったり、相手が自分の思い通りに動いてくれないことにイライラして怒ってしまうこともあります。






私の息子は現在1年生でまだまだ社会のルールを教える時があるのですが、怒る人代表の私は叱るではなく怒るになっていることが多々ありました。
怒ると同じように使う言葉で叱るというの言葉もあります。叱るがいつしか怒るになってしまった経験をしている人も多いのではないでしょうか。叱るの意味は「目下の者の言動のよくない点などを指摘して強くとがめる」とあります。
同じ「強くとがめる」なのに、怒るは自分の感情をコントロールできていない状態になってしまうことです。自分の感情をコントロールできているか、できていないかということがポイントになっていることがわかります。
怒ることは悪いこと?
すぐ怒る人から卒業したいと思っている人は、怒ることは悪いことだと考えている人が多いです。しかし、怒ることは本当に悪いことなのでしょうか。答えからいうと、怒ることは悪いことではありません。
喜怒哀楽が人間の感情を表していることから、『怒=怒る』という感情は人間にあって当たり前というのがわかります。その怒りという感情が、すぐ表に出る人と出ない人がいるのです。感情をどう表現するかで変わります。
怒りは誰もが持っている感情で怒ることが悪いことなのではありません。鍵となるのは自分の中にある怒りをどう表現するかです。
すぐ怒る人というのは”怒”だけがすぐ表現されるのではなく、他の感情も表現しやすい人なだけの可能性もあります。すぐ怒る人とは反対に、怒れない人もいます。そういう人は、他の感情表現が控えめです。すぐ怒る人は周りの人よりも感情の起伏がある、ということをまず自分で気がつきましょう。
なぜ怒ってしまうのか、自分が怒る原因を知ろう
自分が人と比べると怒りやすことに気がついたら、そもそもなぜ人よりも怒りやすいのかを考えてみましょう。
周りにすぐ怒る人がいる中で育った
両親や祖父母の中にすぐ怒る人がいませんか。感情の起伏が激しいというのは、持って生まれた性質でもありますし、遺伝というのもあります。だからしょうがないと諦めるのではなく、遺伝や個性としてあるということを知れば自分を責めなくても良くなりますよね。
小さい頃から家族が感情表現の豊かな中で育てば、自分も感情表現が他の人よりも豊かになりやすいものです。無理に抑え込むのではなく、上手に付き合うという気持ちをもってみましょう。
怒ることで得ることがある
怒りやすい状況として多いのは、自分の思い通りに相手が動いてくれない時です。怒ることで相手をコントロールしようとしていることを知ることが第一歩です。怒らせた相手が悪いと思っていては、この状況から抜け出せません。
怒ることで相手が自分の言うことを聞いてくれたという間違った成功体験を繰り返してきたために、すぐ怒る人になってしまっているだけかもしれません。怒ることで自分が何を得ているのか冷静な時に考えてみると、自分が怒りやすい状況というのもわかります。
条件反射的に怒っている
怒ることが癖になっています。子育て中によくある場面ですが、別の部屋から子どもの泣き声や物が落ちる音がした時に、反射的に怒ってしまうのです。状況を確認する前にもうすでに怒っています。
毎日同じことが繰り返されていると確認せずに怒ってしまいますが、そもそも怒っても同じことが繰り返されていると考えると怒ることでは治らないということでもありますね。
空腹や眠い時に怒りやすい
お腹が空いていたり眠かったりすると人は怒りやすくなるものです。これも個性のようなものですが、睡眠不足や空腹とかに極端に怒りやすくなる人もいます。
さらに体調不良の時は、いつもよりイライラしやすかったりしますよね。いつもよりも怒りやすいなぁと感じた時は小さな我慢をしていないか自分に聞いてみると簡単に原因が解消できるかもしれませんよ。






すぐ怒る人代表である私は、ほとんどすべてに当てはまっていました。そんな私も少しずつ色々試して怒りやすい自分と楽しく付き合えるようになってきました。
次は私自身も試して効果のあった方法をご紹介します。
怒りを感じた時の対処法
自分が怒りやすい状況や怒っている原因が分かると対処もしやすくなります。解消法を紹介しますので、色々試してみてくださいね。
まずは体を満たそう
自分が空腹や眠い時に怒りやすいなと気がついたら、その対策をしましょう。自分が空腹の時に怒りやすいと「みんな同じ」と感じているかもしれませんが、お腹が空いていても眠くても怒らない人もいるのです。






私は眠いと怒りやすくなることに気がついたので、お昼休みに食事を早く食べ終わるようにして、15分くらいの昼寝する時間を意識して作るようにしました。そうすることで、午後の仕事が始まってからのイライラが少なくなりました。
お腹が空いた時にガムを噛むとか飲み物を飲むだけでも解消されます。お腹が空かないようにご飯をしっかり食べる、夜早く寝て睡眠時間をしっかりとることでまずは怒りやすい状況を作らないようにするなど、心がけてみてください。
怒る原因をプラスの力で解消する
怒ることの原因として「怒ることで相手をコントロールしようとしている」というのがあります。この解消法は、怒る以外の方法を考えることです。
怒ったその時はスッキリするのですが、その原因は解消されていないのでまた同じ状況が繰り返されます。何度も同じことで怒っていることに気がついたら、次に同じ状況になったときに怒る以外の方法があるかを探しましょう。
私の実体験ですが、お風呂になかなか入らない子どもに毎日怒っていたので「お風呂でアイスを食べて良いよ」としたら喜んですぐにお風呂に入るようになりました。
子どもにうるさいと怒鳴るのはなく歌を歌ってみるとか踊ってみるとか、仕事で同じミスを繰り返してしまう人に対して怒ることが多いなら別のやり方を一緒に考えてみるなど、怒った時は新しいことを考えるチャンスです。それだけ自分に成長するところがあると捉えてみてくださいね。
怒りやすい自分を知ってもらうとラクになる
怒らずにいることも短時間ならできるかもしれませんが、長い時間怒りやすい自分を隠してニコニコしていても無理が出ます。それよりも、怒りやすいということを知ってもらった方が自分自身も周りもラクになります。
すぐ怒る人代表の私は、家族に「怒ってるよ」と指摘されるまで自分が周りに怒っている印象を与えていることに気がつかないほどです。我が家の日常会話の一例です。

(仕事から帰ってきて一言)部屋が散らかってるね






しかたないでしょ!一日中子どもと家の中にいるんだから!!

なんで怒っているの?誰も責めてないよ。ただ現状を言っただけだよ
コレ、夫婦の会話としてよくありますよね。言う側の人間が皮肉っぽい人なら私の怒るという反応は納得なのかもしれませんが、夫はそういうタイプではなく純粋にオモチャがいっぱい出てるねと目に入った状況を言っただけ。
夫に「なんで怒ってるの?」「なんでそんな風にとるの?俺はそんな気持ちで言ってないよ」と何度も何度も言われています。そうしてもらうことで、私も怒る前に「私は今の言葉を責められていると感じた」と伝えることができるようになり、すぐ怒るという反応が少なくなっています。
すぐ怒る人に気がついて欲しいのですが、怒れる相手がいるというのは幸せなことなのです。なぜなら、怒っても相手が自分のことを嫌いにならないと確信があるからこそ怒ることができるのです。しかし、怒ることで甘えるって変な関係になっています。甘えるのではなく、怒らない練習をさせてもらいましょう。
すぐ怒る人なんだからしょうがないでしょ!と諦めるのではなく、すぐ怒る自分から卒業したいと思っていると周りに伝えてみてください。そこから周りとどういう関係を築いていきたいのかゆっくり考えていくと、周りも自分も笑顔の時間が増えていきますよ。
怒りは二次感情と知り、怒りの下に隠れている感情を探そう
怒りの下には別の感情が隠れています。言葉にできない想いが怒りとなって表現されている事があります。すぐ怒らない人はこの最初の感情のまま相手に伝えることができるのですが、すぐ怒る人は色んな感情が怒りで表れやすいのです。
怒りの下に恐れが隠れていることも多いですし、それ以外にも、寂しい、心配、疲れ、悲しい、など色々な感情があります。その感情をそのまま言葉にすると相手に伝わるので意識してみてください。
怒ってしまった後でもいいので、「今、私はなんで怒ったのかな?」と自問してみましょう。怒りの下にある感情がわかったら相手にその感情を伝えます。その感情を伝える時のポイントを一つ紹介します。それは主語を「私」にして伝えることです。
例えば、子供の帰りが遅くなると心配のあまり怒ってしまったりしますよね。「なんにやってたのー!」と怒るのではなく、「(私は)帰りが遅くて心配していたよ」と伝えた方が気持ちがわかってもらえます。
怒っているときはついつい「あなたが〇〇をしたせいで、私を怒らせた」と周りのせいにしてしまいがちです。しかし、感情を感じているのは自分なので主語は私になります。こうすることで相手を責めることもなくなりますし、二次感情の怒りではなく下にある感情をそのまま伝えやすくなるので、ぜひ主語を自分にすることも意識してください。
他人と自分の距離を取る
怒りやすい人は、他人と自分の感情を分けるのが苦手な人が多いです。電車の中で知らない人が怒っているシーンを見かけると、すごく嫌な気持ちになったりしますよね。全く知らない人の怒りに対しても自分も知らない間に影響を受けてイライラしてしまうことがあるのですから、会社や家庭内で見たらもっと影響されます。
人間は共感する生き物なので、その影響を全く受けなくするというのは難しいのですが、人の感情に左右されすぎてしまっては穏やかには過ごせません。穏やかに過ごすためにも、他人と自分の感情を分けましょう。
怒る人代表の私がやっている方法です。家族でイライラしている人がいると私は気を使い、うるさい盛りの息子を静かにさせるために無駄に怒ってしまったりします。結果的にイライラいしている本人よりも、私の方が怒っている状態になったりするのです。
そうなる前に、イライラしている本人に「人間だからイライラすることはあって当たり前だけど、それを振り回されると周りが気を使うので自分の部屋に行ってクールダウンしてきて」とお願いして別の部屋に行ってもらいます。
また、自分の部屋に行くことができない小学1年生の息子がイライラしてうるさい時には、私は耳栓をしちゃいます。そうすることで、冷静に相手を観察することもできるようになり、相手が本当に言いたいことが何だったのかわかったりします。
心の距離を相手と取るために、頭の中で自分と相手の間に線を引くイメージをするだけでも変わりますが、できたら物理的に距離を取りましょう。
5つ方法をご紹介しましたが、どれも1回で怒ることがゼロになるというものではありません。怒る回数を減らすと考えるよりも、笑顔で過ごせる時間を増やすにはと考えてみてください。そうすることで、結果的に気分良い日を過ごせるようになっていきます。
まとめ
すぐ怒る人がそばにいて嫌な気持ちになっている人もいますよね。距離を取るというのも大切ですが、会社や家庭で長い時間共に過ごすのであればお互いがご機嫌で過ごしたいものです。
これは、すぐ怒る人代表の私から家族にお願いしていることでもあるのですが、怒っている人というのは「何かに困っている人」でもあります。怒っているときは切羽詰まっていて何に困っているのかも言語化できない時もあるのですが、「何を怒っているの?何か手伝うことある?」と言ってもらうだけで心が軽くなったりします。
もし、周りにすぐ怒る人がいて悩んでいる人がいましたら「何に困っているのかな」と考えてあげることで、その場の雰囲気が変わっていきます。
すぐ怒る人は、自分がどんな時に怒るのか、どんな時にご機嫌で過ごせるのかを知ると笑顔の時間も増えていきます。自分のご機嫌は、自分でとって過ごしましょう。怒る自分と上手に付き合えるようになって、少しずつでも自分を好きになることができるようになれることを応援しています!
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