目次
信頼関係を築く場を作るのに大事な2つのこと

Yumi:心理的安全性や、ここでなら信頼して話せる、と感じられる場を作るコツを教えていただきたいです!
①お互いの価値観を知って受けとめあえる体験をすること
チィさん:安心して話せる場にする、信頼できる場にするという時に大事なことは2つあります。
1つ目は、お互いの価値観を知ること、知って受けとめあえるという体験をすることです。
価値観って、「何をどのくらい、どういうことを大事だと思っているか」ということなのですが、業務をしている時にどう進めるか、といった物事に対して意見を交わすだけでは、価値観がなんとなくにじみ出る時もあるけど、あまり語られることはないと思っていて。
Yumi:確かに、業務のことだけで相手の価値観を知るのは難しいですね。そして、業務だけの話をしていて信頼関係が築けるかと言ったらそうではないようにも思います。
むしろ、なんでもない話から盛り上がって、相手のことを知ることの方が多いなと。
チィさん:そうですよね。なので、
「こういう一面があるんだな」といった相手が何を大事に思っているか、という所が見えてくると、普段の業務で
「この人いつも細かい所にこだわるけど、これはああいう思いがあって大事にしているんだな」
ということがわかってきて、受けとめることができるんです。
Yumi:相手の価値観を知ると、なぜそういうやり方をするのかも分かるから受けとめられる、納得です。
チィさん:私が「チームのよさがみえる会議」という場を作る時には、よさカードというカードを使うのですが、カードに書かれている言葉や写真などをきっかけにして話してもらうことでお互いの価値観を知って受けとめあうことができます。

チィさん:カードを見て、思ったことを話しているだけだから、それについて「そう思うのっておかしいよ」みたいな発想にはならなくて、「そう思ったんだね」ということをみんなスッと受けとめやすいんです。
反対に、納期が迫っているこの問題についてどうこう、みたいな時に意見が違うと受けとめるのってすごく難しい。
Yumi:確かに、起こっている問題について話す時に意見が違えば、受けとめるのは難しいですが、カードに書いてあることに対して思ったこと、感じたことを受けとめるのはしやすいな、と思います。
チィさん:そうなんですよ。そしてそのカードをみて、「こう感じた」「こういうエピソードを思い出した」という話は「そうなんだね」って自然とみんな思えるので、価値観を聞いて受けとめるということができちゃうんです。

そうやって価値観を知り受けとめあう、という場を作ることで心理的安全性も高まるし、信頼関係も高まっていきますね。







目の前にあるタスクや業務の話以外から価値観を知れる場を作るって本当に大切ですね。そしてその価値観を知ることで信頼関係を築くことができる、と。
Yumi:信頼関係を築く=お互いの価値観を知っていくことだということが分かりました。
チィさん:良いですね、本当にそうなんです。お互いの価値観を否定することなく受けとめあえる関係性を築くことは、信頼関係につながっていきますね。
②一人ひとりが平等に話せる空間にする
Yumi:2つ目のポイントについても教えていただけますか?
チィさん:2つ目は、全員の声が平等に扱われるということがすごく大事です。


Yumi:なるほど、平等に扱われる。
チィさん:はい。全員が大体同じぐらい発言するというのは、心理的安全性の高いチームの特徴でもあります。心理的安全性が高いってどういうことですか?と言った時に唯一わかりやすい指標がこれなんです。
でも、一般的な会議ってあんまりそうではないですよね?
Yumi:確かに、そうですね。
チィさん:上司がワーッと言って
Yumi:私たちはただ聞いているだけみたいな(笑)
チィさん:そうそう、「なんか言っても下っ端だしな……」みたいにね。
Yumi:そうなんですよ。
チィさん:一般的な会議はそんな感じなんですけど、安心して話せる場づくりをする時は新人さんは新人さんの視点が尊重されて、一人一人が平等に話せる時間を作ることが大切です。







「チームのよさがみえる会議」でも、みんなにカードを引いてもらって、そのカードについて話すというのを自然に順に回していく感じで進めるので、全員が発言しますし、大体同じくらいの時間をみんな話せるようになっています。







全員同じくらい話せる場、となっていたら普通の会議だとなかなか話せない人も発言しやすいですね。
チィさん:そうですね。みんなが同じくらい発言して、その価値観が尊重される、という場を作ることで「このチームで自分の話、受け止めてもらえるんだな。」という受け止められる体験もできるし、他の人の話を受けとめるという体験もできるんです。
Yumi:みんなの価値観や意見が尊重されて、受け止めあうことができるチーム、最高ですね!そんなチームの中でなら働きやすいですし、自然とお互いを信頼しあうことができそうです。
【信頼関係を築く場を作る時に大事なこと】
・お互いの価値観を知り、受け止めあう体験をする
・全員の声が平等に扱われること
【実践編】自然と信頼関係が深まる、今すぐできる3つのポイント









信頼関係を築く場の作り方がよく分かりました。
チィさんみたいに、カードを使うからこそ人の価値観を知ることができたり、安心して話せる場を作れるということはあると思うのですが、手元にカードがない場合はどのようにして安心して話せる場を作ることができますか?
①しつもんをすることでも価値観を知ることができる







そういう場合は「しつもん」が良いと思います。
Yumi:しつもん、ですね。
チィさん:何か問いをみんなになげて、答えてもらうのが良いですね。なんでも良いんですけど、例えば「最近あった嬉しかったことは?」みたいなのを順に聞いてみるんです。
そういう質問をする機会って普段はなかなか無いのではないでしょうか。
Yumi:そうですね、あまり無いです。
チィさん:仕事に対する価値観を知りたい時は、「この会社に入ったきっかけは?」「この仕事をしようと思ったきっかけはなんですか?」
というようなことをシェアすると、みんな絶対何かしらの価値観に基づいて決断してきているのでお互いのことを知ることができます。
それに大体こういう話って知らないんですよね、みんな。
Yumi:確かに、業務の話で終わっちゃうことが多いので、そういう話って意外としないです。
チィさん:ですよね。その中でお互いの価値観を知れるのでとてもオススメです。
また、話した人は「あぁ、最初はこんな気持ちだったな」と、ちょっと原点に戻るみたいな感覚になるので、良いですよ。







しつもん、良いですね。これならすぐに取り入れられそうです。







そうですよね。いくつかしつもんを用意しておいて、みんなで答えるという場を作ると良いですね。
チィさん:他にもどんなことを話したらいいのか、という質問集もあるので、良かったらみてみてください。


Yumi:ありがとうございます!
②理論に頼らず、体感できる場を作る
チィさん:こういう場を作ることで、「心理的安全性ってこうして高まるんだ!」「信頼関係ってこう築けるんだ!」ということを楽しみながら体感することができます。
きっと信頼関係を作るには、ということを調べてみると「傾聴しましょう」「相手の言葉をちょっと繰り返して言ってみましょう」というような理論が出てくることが多いと思いますが、コミュニケーションって体感なので、体感を先に作っちゃった方が早いんですよ。
Yumi:理論より体感ですね。
チィさん:はい。そして実際に体感してみると、「意外と難しくないんじゃないか」ということが分かってきます。
Yumi:確かに、「信頼関係を築くには」ということを、みんな難しく考えすぎているかもしれないです。あれこれしなきゃいけないんじゃないか、と思ってしまったり……
でも、例えばプライベートで誰かと仲良くなったりする時って、理論で考えて何かをやってはいないですよね。お互いのことを話して、理解しあうことで自然と距離が縮まることが多いですし、その結果として信頼関係が築けているな、と。
チィさん:そうなんですよ。なので、理論も大事ですが体感できる場を作ってまずはやってみることが大切です。







他の人の話を聴ける、相手の価値観を知れる、そして自分も安心して話せる、という場を企業の中で例えば30分でもちょっとしたミーティングとして設けてやってみると、そこで信頼関係って築けるようになるのでしょうね。







はい。もしかしたら、「そんなことのために時間を取れないよ」「やって何になるの、売上に直結しないじゃん」という声も出てくるかもしれないですが、信頼関係ってチームで仕事をしていく中でのベースになるので、業務をスムーズに進めていくためにも、成果を出していくためにも大事なことなんだということをメンバーに伝えておくと良いですね。
③相手との違いを楽しむ
Yumi:すごく参考になります!他にチィさんが信頼関係を築くために大切にされていること、チームで活動される時に意識されていることはありますか?
チィさん:私は違いを楽しむということをすごく大事にしています。相手と自分の全く違う視点や、「それ、そんな風に思うの?」というような違いを楽しみます。
例えば、私と副代表のいほちゃん(井上いほこさん)は全然違うんです。アイディアを思いついた時も、私はすぐに行動するタイプだけど、いほちゃんはあっためるタイプ。
タイプが違うと、対立が起こってしまうことだってあるかもしれないですが、私が突っ走りそうになった時にバランスを取ってくれて助かったこともいっぱいあって。
その違いを楽しんで受けとめることで、いい感じに噛み合ってお互いに合った役割を担うことができます。
Yumi:違いをネガティブに捉えるのではなく、その違いを楽しんでいけたら、良いチームワークで活動できそうですね!私も違いを楽しむことを意識してみます。







信頼関係を築くにはどうしたらいいのか、とても勉強になりました。ありがとうございました‼︎







こちらこそ、ありがとうございました!
しつもんを用意して、30分程お互いのことを知れる時間を作ること。そして相手との違いを否定するのではなく楽しむことで、信頼関係を築いていくことができる。
まとめ


今回は、「チームのよさがみえる会議」を開催して組織開発支援を行っている高井ちずこさんにお話を伺いました。
信頼関係を築くにはと考えた時に、どうしてもコミュニケーションのスキルを身につける、といった理論に目がいってしまいがちですが、理論よりも心理的安全性が高い場で、
と自然と体感できる場を作ることが大切だということが分かりました。
30分ほど時間をとって、お互いの価値観を知る場所を作るということは、すぐに取り入れやすいので、実践されてみると「こういうことか!」と実感できることがあるかもしれませんよ。
これを読んでくださったあなたにとって、信頼関係を深め、良いチームワークを作っていくためのヒントになっていれば幸いです。
最後まで読んでくださってありがとうございました!
今回インタビューした高井ちずこさんが代表を務めるよさがみえるラボのホームページと、よさラボが運営するYoutubeチャンネルがありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。


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