生活をしていると誰かと必ず関わるので、「友人と約束したのに、遅刻されてイライラした」「家庭の中でも、家族は好きにしているのに、自分だけ忙しくてイライラした」という経験は誰にでもありますよね。
「どうして、同じようなことで、いつもイライラするんだろう?」「同じことでも、イライラしていない人もいるのにな」と感情をコントロールできないことに悩んだりしてしまう人も多いのではないでしょうか?
イライラする感情は大人だから子供だからという条件はなく、誰もが持つ感情の一つです。もし、自分の怒りのポイントを知ることができ、「イライラした時の対処法」がわかり、実践できるようになれば、気持ちが楽になりますよね。
私は、ブータン人の夫と結婚してブータンに住んでいます。住み始めた当初は、考え方が違う人々の中で暮らして、イライラすることが多かったんですよね。
その上、コミュニケーションも上手く取れなかったので、イライラした時の対処法もわからず、自分の中にため込んで、最終的に爆発してしまっていました。
でも、自分のイライラするポイントとか、相手の価値観を理解するようになってからは、「イライラした時の対処法」が見つかっただけでなく、イライラすることも減り、気持ちが楽になったんですよね。
「最近なんだかイライラしている」という人は、自分の怒りポイントを知ることで、イライラの回数を減らすことができますよ。ぜひ最後まで読んで、自分の対処法を見つけてください!
どうして、イライラするの?
「イライラする」ってどんなこと?
そもそも、「イライラする」ってどんなことでしょうか?
と書かれています。
たとえば、レストランなどで、凄くお腹がへっているのに注文した食事がなかなか出来てこなくて、「イライラする」ってことですよね。じゃあ、「イライラする」=「怒る」ってことでもないのかな?
怒るの定義も確認しておきましょう。
レストランなどで、凄くお腹がへっているのに注文した食事がなかなか出来てこないとイライラする。そして、レストランの店員に対し「いつまで、待たせるの!」と発言したとしたら、この行為が、「怒る」ということですね。
これはつまり、思いどおりにならず焦って心が落ち着かない「イライラ」と、不満なことがあってがまんできない気持の「怒る」は、密接な関係があるということです。
また、イライラして、怒ってしまったことで、自己嫌悪におちいり、そんな自分に対してイライラするという悪循環になってしまうこともありますよね。
人間の感情は繊細にできているので、ひとくくりにはできませんが、イライラする原因を大きく3つに分けて考えてみましょう。
理由①自分の思いどおりにならない
「イライラ」の意味どおりで、物事が思いどおりに進まないときや、予定やスケジュール通りいかないときなどはイライラするものです。
子育てって、楽しいけどイライラすることも多いです。子供は大人よりも融通が利かないですよね。だから、自分の都合で動けないことがあるので、物事が思いどおりに進まずイライラしてしまうのです。職場でも空気が読めない人がいると、物事が思いどおりに進まなくてイライラするのも同じですよね。
特に自分が準備万端で物事を進めていた場合や、絶対に終わらさなきゃって場合はなおさらイライラします。
理由②相手の行動を理解できない
「自分だったらこうするのに」「このタイミングではしないでしょ」など、自分の価値観やルールに反することを相手がしたときなどもイライラするものです。
例えば、私がブータンに住み始めた頃によく感じたイライラです。
明日の昼頃に家にお邪魔してもよい?
大丈夫だよ、待ってるね。
ブータンでは、家に来たお客さんにはお茶だけでなく、食事も出すのが礼儀です。もちろん、私も食事の用意をして友人を待っていました。しかし、友人は昼になっても来ません。そして、連絡もありません。
昼になったけど、来ないね。
あれ、来ないね。
連絡した方が良いんじゃない?
他に大切な用事ができたかな。連絡するほどじゃないよ。
ブータンの人は、そもそも約束をあまりしません。そして、「約束は絶対に守るもの」とも考えていないのです。
相手に対してイライラを感じるときは、「相手がルールやマナーに反することをしているから」という点が共通しやすいポイントではないでしょうか。「自分だったらそんなことはしない」「あり得ない」と相手と自分を比較して、イライラを感じてしまうのです。あまりに同じ事が続くと、その人を見ただけでイライラするようにもなります。
理由③罪悪感やコンプレックスを刺激された
自分自身が罪悪感やコンプレックスをもっていることに対して指摘された場合に、イライラの感情が生まれます。
まさこ、英語わかんないの?日本人って英語習わないの?
英語は学校では中学から習ってるよ、でも英語を使う場面なかったからね。
でも、海外旅行とかしてたでしょ。
苦手だから、日本語ガイドを頼っていたし・・・
ブータン人は高齢者と小さな子供以外は殆どの人が英語で日常会話をすることができます。「英語は勉強したのに」とコンプレックスを感じるので、英語を話せる人といる時に、言葉が通じないことにイライラしていました。
逆に英語を話せない、高齢者や小さい子供とはリラックスして付き合えたんですよね。
このように罪悪感やコンプレックスを刺激されたことによって、イライラの感情が生まれることもあります。
理由④やるべきことが多すぎる
やらなければならないことが溜まりに溜まっていくと、追い詰められて、イライラするものです。
ブータンに住んでいると感じるのは、日本人って自分でやるべきことを増やして、イライラしているところがあるように感じます。
どんなに忙しくても毎日お風呂に入り、着替えて、洗濯をする人が多いですよね。ブータンだと乾燥している気候ということもありますが、毎日お風呂に入りません。少しサボってみて、自分の気持ち良い具合を探ってみたら楽になるのにと思うことがあります。
習慣やいろいろな情報から、「こうするべきだ」と、自分で決めつけていることも多いのではないでしょうか。毎日やるべきことが多すぎると処理しきれず、心に余裕がない状況でイライラしてしまいます。
イライラを上手くかわしている人の特徴
いつもニコニコ穏やかな人がいる一方、常に顔にイライラが出てしまっている人もいます。同じような状況にあっても、穏やかに過ごせる人とそうでない人との差はどのような点にあるのでしょうか。イライラを上手くかわして、怒らないでいられる人の特徴を見てみましょう。
他人の価値観が違うことを受け入れている
人に対してイライラして怒らない人は、他人に期待していません。
「他人に期待していない」だけ聞くと、怒らないかもしれないけど、冷たい人って感じもしますよね。
でも、他人に期待していないというのは、自分の価値観と他人の価値観は違うので、「仕方がない」と受け入れているということです。
私もブータンに住み始めた頃は、自分の価値観と違うことばかりで、それを受け入れられず、イライラすることも多かったんですよね。でも、「そういう考え方もありだね」と思えるようになってからは、イライラすることが減りました。そして、国が同じでも、家族の中でも、他人の価値観は違うと思えるようになったので、更に気持ちが楽になりました。
そもそも他人が自分の思いどおりにはならないとわきまえているのです。まずは、他人の価値観が違うと受け入れて、他人の価値観に少し寄り添ってみると良いですね。
自分が何にイライラするかを知っていて、逃げるのが上手
怒らない人も、嫌なこと、嫌いな人がいないわけではありません。自分が何にイライラするかを知っているので、そこを避けることができるのです。
私は、ブータンで夫の3兄弟家族と同じアパートに住んでいます。子供が、息子、甥っ子、姪っ子みんなで6人いて、みんな兄弟のようです。仲は良いのですが、毎日喧嘩もたえません。その中で、私の長男は喧嘩の中に入っていることが殆どないのです。
兄弟とあんまり喧嘩しないよね。
1人が誰かと喧嘩し始めると、みんなも一緒に攻撃しだすから、それが嫌なんだよね。僕ひとり部屋から抜け出してもみんな気がつかないしね。
その場が険悪な雰囲気な時に、一緒にいると自分までイライラしてしまうことありますよね。また「この人とはどうも気が合わなくてイライラするんだよな」って相手もいますよね。そういう時は、その場から逃げるのは一つの方法です。
怒りが爆発しちゃいそう!イライラした時の対処法
イライラしても仕方がないと思っていても、イライラしてしまうことはありますよね。イライラとした感情がつもっていくことで、怒りが爆発します。イライラは怒りの一歩手前の状態なのです。
イライラの感情のピークは、6秒と言われています。怒りを爆発させないように、自分の感情をコントロールする「イライラした時の対処法」を考えてみましょう。
「大丈夫」「なんとかなる」と唱えてみる
物事が思いどおりにならない時に、「大丈夫」「なんとかなる」などの言葉を心の中で唱えてみると、イライラが和らぐこともあります。
料理していて、ちょっと手順を間違えると、上手くできないことをイメージしてしまい、イライラすることもあります。でも、そういう時は「大丈夫」「なんとかなる」と心を落ち着けてみるんですよね。
自分自身を信じてあげて認めてあげると、ポジティブな気持ちになりますよ。思いどおりにならなくても、直ぐに諦めないで続けると、意外と細かなミスは修正できるものです。
別のことをしてみる
「大丈夫」「なんとかなる」と唱えてみても、やっぱり上手くいかないこともありますよね。イライラを長引かせても、あまり良いことは起こりません。物事が上手くいかなくてイライラした時の対処法として、別のことをしてみるのもおすすめです。
子供の探しものに付き合うと、イライラしてくるんですよね。「大丈夫、あるから」と、心を落ち着けて一緒に探しても、子供がちゃんと探さなくて、余計にイライラしてくる時もあります。そういう時はいったん諦めて、思い切って別のことで遊んでみます。そうすると、「あっ、そういえば、あの時ベッドルームに行った!」と思い出したりするんですよね。
イライラしてしまったら、まずそのことがらに対して考えることをやめて、別のことをしてみるのも、イライラした時の対処法のひとつです。頭の中を違うことにすり替えると、感情も変化していくはずですよ。
「まぁいいか」と唱えてみる
相手の行動が理解できなくてイライラする時は、「まぁいいか」と心の中で唱えてみると、イライラが和らぐこともあります。
約束していた友人が時間になっても来ない時に、「まぁいいか」と心の中で唱え、ひと息おいてみるんですよね。そうすると、待っているということにばかり意識を向けないで、待っている間にできることをしてみようと思えたりします。
イライラしたことに対して、後で冷静になって考えてみると大したことでないということはよくあります。イライラした時には「まぁいいか」と直ぐに気持ちを切り替えてみましょう。
その場を離れてみる
「まぁいいか」と唱えてみても、イライラの気持ちが落ち着かないこともありますよね。相手の行動が理解できなくてイライラする時の対処法として、その場を離れることもおすすめです。
ケンカをした相手の顔や、思い通りにいかない原因となるものなどは、イライラしているときは見れば見るほど、うっぷんが溜まりがちです。イライラの原因となるものから距離を置くことで、一気に気持ちを落ち着かせることができますよ。
別室へ行き、全く異なることへ意識を向けると気晴らしにもなりますので、より心を落ち着かせることができます。
イライラポイントを興味深いと考えよう
相手の行動が理解できないのは、自分の価値観と違うからですよね。そういうポイントは「興味深い」と思ってみると、自分の価値観が広がりおすすめです。
次男がいる所はいつも散らかっています。見ているだけで頭が回りそうで、片付けて欲しいとイライラしていました。「どうしてこんな状況で本人は良いのかな?」と興味深く見てみることにしました。すると、飽き性なので、同時並行でいろいろなことをした方が上手くできるようなのです。
ひとつひとつ集中力を持ってできるのも良いことですが、飽き性の人はいろいろなことを同時にするという方法もあることに気がつきました。
相手が理解できない時は、「まぁいいか」とやり過ごすのもイライラした時の対処法です。しかし、余裕がある時は「興味深い」と人の行動を深掘りするのも面白いですよね。
自分の怒りのポイントを知って、イライラしない人になる方法
怒りを爆発させないように「イライラした時の対処法」を知っておくことは大切ですが、やっぱり、イライラしない人になれたら、更に気持ちが楽ですよね。次は、イライラしない人になる方法を考えてみましょう。
自分のイライラポイントを把握してみよう
「私って、一体何に怒っていたんだっけ?」と混乱することもしばしばありますよね。自分が何に怒ったのかを紙に書いて振り返ることで、イライラのポイントを把握してみましょう。客観視してみると、「イライラするほどのことじゃなかったな」「あのときこうすればよかったかな」など気づくことが出てきます。
ブータン人の夫は、自分の考えをはっきりと発言する人です。そして、自分の意見をまげません。以前は子育てのことで考えが合わず、話し始めるとイライラすることが多かった時期もありました。でも、意見を十分に聞いた上で、さらっと私の考えを言えば、意外と聞いてくれるとわかりました。
私にとって、子供のことはとても重要で、自分の思っていることが理解してもらえないとイライラしていました。そして、夫は持論を言えばすっきりするのだと理解できたので、イライラをコントロールしやすくなりました。
自分のイライラポイントを把握でき、予め結果が予想できていると、怒らないで済むことが増えてきます。
自分の中の〇〇すべきを捨てよう
自分の価値観やルールがあるから、自分が思いどおりにできない時や相手がそれに反した時にイライラするのです。だから、自分の中の〇〇すべきを捨ててみましょう。
私はブータンに住み初めた頃は突然の来客や約束したのに来ない来客に、自分の時間を無駄にされたと感じて、イライラすることがよくありました。でも、「突然、人が家に来ても何とかなる」「約束の時間に人が来なくても、そもそも特別な用意をして待たないから大丈夫」と思えるようになってからは、イライラしなくなりました。
私の中の価値観の「相手の予定を重視すべき」「約束は守るべき」「部屋は綺麗にしておくべき」などの〇〇すべきに反しているのでイライラしていたのです。
ある時、〇〇すべきの壁を取る実験をしてみました。友達がいなかったり、用事があったら帰れば良いと思って、友達の家に約束をしないで突然行ってみたのです。友達は何の戸惑いもなく家に招いてくれました。そして、会えたことに喜んでくれたのです。
「自分で実際に約束しないで友達の家に行く」「友達と楽しい時間を過ごすことができた」という体験をできたことで、自分の家に突然人が来ることに抵抗がなくなりました。
自分のことをコントロールするよりも、相手のことを変える方が難しいものです。自分の価値観やルールに相手がそれに反した時にイライラするのです。だから、自分の中の〇〇すべきを捨ててみましょう。
自分の価値観を伝えるために、本心を言おう
自分と相手の価値観やルールの違いからイライラの感情は生まれるものです。だから、そもそも自分の価値観を人に理解してもらっておくことも大事です。
ブータンでは、多くの人が仏教徒です。そしてとても信仰心があり、普段の生活にも仏教の教えが活かされています。
「信仰は?」と聞かれれば、「仏教徒です」と答えるけど、日本では、冠婚葬祭の時に意識するぐらいです。でも、信仰心も違うし、教えられてきたことも違うので、初めはわからないことだらけで大変でした。「何でこんなこと知らないの?」と指摘され、恥ずかしいし、できないことに罪悪感でイライラしたりもしました。
ある時、思い切って「私の仏教への信仰心は、みんなと同じではない」「みんなのことが大事だから、みんなが大事にしていることは大事にしたい」という気持ちを伝えました。それからは、仏事ごとに参加する時も随分楽な気持ちになりました。
自分のイライラを相手にぶつけることでストレス解消する人もいます。でも、多くの人は自分も相手のこともイライラさせたいと思っている訳ではありません。
そもそも相手の価値観はわかりにくいのに、自分の本心を言っていなければ、相手に自分の価値観は伝わりませんよね。自分を飾ることなく、自分の本心を言ってみましょう。
まとめ
イライラする感情は、子供でも大人でも誰もが持つ感情のひとつです。そして、日常的に沸き起こる感情です。少しでもイライラすることが減ると、気分が楽になりますよね。
まずは、イライラした時は、「大丈夫」「まぁいいか」と心の中で唱えて、一度心を落ち着かせて、イライラの感情を自分自身でコントロールできるようになると良いですね。
そして、LINEがきても返事を直ぐにしないでみるなど、簡単なことで「LINEの返事はすぐするべき」の壁を自分で破ってみるのもおすすめです。イライラすることを減らして、イライラしない人を目指してみてください。
ぜひ、できることから始めて、イライラをうまくかわして、心穏やかに過ごせるようになりますように!
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