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最後の決断は自分で下すこと
自分らしい人生を生きるのに他にも気をつけていることはありますか?
そうですね、最後の決断を自分で下すことを大切にしてきました。
かみ:最後の決断?
まさこ:そうです。例えば、私で言えばブータンに嫁ぐか嫁がないかとか、相談はしても最後の決断は自分で決めることを意識していました。
って人に聞いた時に周りには、「はー」って驚かれました。今でも、その選択の意味がわからなかったんだよねと言われます。
最後は自分の人生だし自分でブータンに嫁ぐって決めました。自分でこの決断をしたんだから、人のせいにできないですよね。自分の人生を生きるって、そういうことなんじゃないかなって。
かみ:自分で決めて自分の人生の責任を取るから、人生が自分らしく進む。自分の人生を自分が全部引き受けるってことですね。
まさこ:そう、そのために最後の決断を人に委ねない。
自分の人生にいらないことは何か引き算で考える
ブータンでの新婚生活はいかがでしたか?
そうですね。生活はすぐに馴染めました。でも当時は、お湯がでる蛇口も、湯沸かし器もなかったんですよね。身体を洗う時には、バケツに水を貯めて、丸太に電熱線を巻いてお湯を沸かしていたんですよ。
かみ:丸太に電熱線ですか?生きる力がつきそうですが、人によってはしんどいかも・・・。まさこさんは、辛くなかったですか?
まさこ:家族のみんなが不満に思っていない様子だったので、当たり前だと捉えて、気になりませんでした。
っていう感じですね。
かみ:適応力、めっちゃありますね。
まさこ:ブータンって、お金もある人が出すっていう国で、怠けてても暮らせるんですよ。
私は言葉もできなかったし、仕事もする気なかったし、苦労もしたくなかったし、高い志みたいなものがなくって。笑
でも、自分の時間を何に使うのか、誰とどこにいるかっていうことは私にとって大切なんです。
かみ:自分にとって何が大切なのかを知ることから始まるんですね。何が大切か分からない人もいると思います。そんな時はまさこさんならどうされますか?
まさこ:私は自分にとって大切なものが分からない時は、欲しいかどうかじゃなくて、それが自分にとっていらないかどうかを見るようにしています。引き算で考えています。
かみ:引き算?
まさこ:引き算で考えると、いらないものって結構はっきり分かります。ブータンで生活するには、家があって食べ物があって人がいれば、そんなにお金っていらないな、とか。
かみ:本当に、家があって食べ物があって人がいれば人生楽しく暮らせそうです!しかも、ブータンならしたくないことはしなくても誰にも何も言われないんですもんね!
まさこ:そうですそうです。ブータンのあり方が好きな私にはブータンは本当に自分らしく生きられる場所です。
できないことを素直に認めて甘えよう
まさこさんのブータンライフはとっても温かな日常なんですが、困ったこととか辛かったことはありませんでしたか?
いっぱいありますよ!
まさこ:言葉の壁もあったし、生活習慣も違うから出来ないことがいっぱいあって、いつも助けてもらうばかり。家族の役に立ちたくてもどうしたらいいのか分からなくて、しんどかった時がありました。
そこで、自分ルールを決めたんです。できないことがある度に凹んでいたら、心がもたなかったかもしれません。
当時の自分ルールは、
でした。できない自分を受け入れると、できないことを相手にも求めないからイライラしなくていいってブータンで学びました!
かみ:できない自分を受け入れて、できないことを相手にも求めないって、これができたら心地よい人間関係が築けそうです。
まさこ: そうですね、ブータンは人間関係を中心にして生きる国なので、分からないことは周りの意見も素直に聞いて行動していました。
かみ:素直に意見を聞いて、助けてもらったら「ありがとう」ですね!
まさこ:それが、助けてもらったら「ありがとう」って伝えたいんですが、人が助け合うことは当たり前というブータンでは「ありがとう」という文化がないんです。
小さいことで「ありがとう」と言われると、相手が恥ずかしいんですよ。なので、「ありがとう」は気持ちだけで、言葉は飲み込むようにしていました。
かみ:文化を知るって本当に大切ですね!いいと思って丁寧に感謝したら、それがダメなんですね。
でも、出来ないことがあったら素直に認めて助けてもらうっていうことはブータンでも同じなんですね。
まさこ:そうですね。できないことを素直に認めて助けてもらっていたお陰で、ブータンでみんなに可愛がってもらえました。
かみ:なんか、すごく良い人間関係の循環ですね。
次が決まっていなくても、仕事を辞めたら人生が進む
まさこさんのブータン愛を感じます。ブータンに移住する前から、自分の直感を信じたり自分のしたいことができたりしたんですか?
いえいえ。もともとは大学を卒業して就職してシステムエンジニアとして働くっていう、普通の波に乗っていました。
まさこ:自分で選んでたと思ってたけど、今思ったら選んでいなかったですね。就職先もいっぱい受けて、ここが採用してくれたから働くっていう感じでした。
かみ:なぜ辞めたんですか?
まさこ:10年後や20年後に、自分がシステムエンジニアとして働いている姿が思い浮かびませんでした。そんな大してやりたいことじゃないのに、仕事を始めてできないとか諦めなきゃいけないことがいっぱいあって、これじゃないなって。
その自分の気持ちに気づいた時に、もう辞めようって思いました。
責任があるので、次のプロジェクトに関わったら2年は辞められなくなるって思ったら、そのプロジェクトが始まる前に辞めなきゃって。
って、なりました。
かみ:次にしたいこととかあったんですか?
まさこ:何もなかったです。笑
でも、次にすることが決まっていないからこそ、それが良くって、だから人生が動いた感じがします。
かみ:何かをするために仕事を辞めるじゃなくて、辞めるから人生が動いた!
まさこ:そうですそうです。会社をやめる決断を自分でしたことで、やりたいことを決断し、行動できるように変わっていきました。
自分の人生を生きていないと感じた時にまず試して欲しいこと
まさこさんのように自分の人生を堂々と生きたいけれど、自分らしい人生をまだ生きられていないと感じる人もいるかと思います。そんな方々に、自分らしい人生を生きるにはこうしたらいいよというヒントをお願いします。
そうですね、自分のための時間をちゃんと作ったほうがいいって思います。
ちょっとモヤモヤして引っかかるのに、忙しかったら、考える余裕も無くなっちゃいますよね。
まさこ:ブータン人は、とってもマイペースです。
公務員は、勤務開始時間に家を出て、退勤時間には家についてる、みたいな感じ。窓口に1人しかいないのに、家の用事で突然2時間とかいなくなってしまうことも普通にありますよ。
かみ:よく言えば大らか、悪く言えばルーズ!笑 それで、他のブータン人は怒らないんですか?
まさこ:怒りませんね。窓口で待たされても、のんびり待っていますよ。本当におおらかな土地で、そこが好きです。
システムエンジニアとして働いていたときは、ガツガツ忙しかったんです。でも自分のための時間をちゃんと作って時間にゆとりがあると、私ってこれが好きだなとかこれがしたいとか思いつくんですよね。
何もしない時間やゆったり過ごす時間があったからこそ、自分の人生に大切なことに気づけました。
だから、自分の時間を作って何もない時間を過ごすことを試してほしいですね。
かみ:自分らしい人生を生きられていないと感じた時こそ、一旦立ち止まって何もない時間を感じるから自分の感覚とか欲求に気づくことができるんですね。
まさこ:できるだけ後悔したくないからみんな悩みますが、最後はやりたいことをやらないで後悔するより、私はやって後悔する道を選びたい。
私は高い目標とか志とか特にないんですが、
・支え合える大切な家族がいる
・大好きな人に囲まれて生活ができている
・自分にとっての幸せの価値観がわかってきた
ので、自分の人生にとって幸せな道を選んできたんだなぁと感じています。これからも私の人生、ありのままを受け入れてくれる大好きなブータンと日本を行き来しながら生きていきます!
最後に
今回は、ブータンに16年住んでいるまさこさんに、自分の人生の見つけ方や自分の人生を生きていないと感じた時に試して欲しいことをインタビューしました。
まさこさんは何度か「目標がない」「こうなりたい未来とかない」って話されていましたね。未来って今何を選択するかでまた次の選択肢が増えていくから、目標とか未来って言っても決められないのかもしれません。
目標がなくても、今の人間関係や自分の気持ちを大切に生きていたら、ちゃんと自分にとっての幸せの道に進めているんですね。
それにしても、自分をこのままの自分でいいんだと思わせてくれるブータン王国、最高ですね!
っていうメッセージを国中の人が発してくれるなんて!
定額制の観光料が1泊$200以上することやブータンへの航空券の高さに多少びびってましたが、後悔しない自分の人生のためにも、絶対に行くぞっ!と思いました。
ブータンに一緒に行きたい人、この指と〜まれ♪
本サイトALIVEのライターでもあるまさこさんの記事はこちら↓
ブータン人から学ぶ「信頼関係を築くコツ」だよっ♪
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