就職活動を経験したことがある方も、これから就職活動に挑もうとしている方なら「グループワーク」という言葉を一度は聞いたことがあるし、もしかしたら「経験した」「今まさに練習中!」という方もきっといますよね。
就活の時に聞かれる「グループワーク」って一体面接官はどこを見ているのか分からず、とにかく自分の個性を出す事に一生懸命だったりしませんか。また、就活の審査をクリアすればグループワークは終わりだと思っていないでしょうか。
10年以上前の当時、100社受けても1社受かるかどうか・・・という就職氷河期と言われる時代を経験し、転職・社員として面接担当・後輩の面談指導などなどを経験してきて
・就活でのグループワーク失敗
・面談担当として気付いたこと
・社内でのグループワーク
と実はそれぞれ「こう対応していれば良かった」「あの時のあの行動は良くなかったから反省」「この人は、グループワークやチームでの仕事が向いていないかも・・・」「会社のミーティングってグループワークの延長では・・・」など経験を重ねることで感じることが多くなってきました。
そして、実はグループワークという言葉で対応をしていないけど、社会人になってこそ、このグループワークの根幹が仕事に生かされているのでは!?という経験を何度もしています。
そこで今回の記事では、社会人になって面談を担当していた経験から、就活生と社会人になってグループワークが実際にしっかりできている人とそうでない人との差と、どうしたらグループワーク・グループディスカッションができるのかを調べてみました。
今まさに就活中です!という人や、グループワーク・グループディスカッションってなんだ?と思われている人はぜひご自身のグループワーク力を振り返るきっかけにしてみてください。
目次
グループワークとは
グループワークってなに??
「グループワーク」という言葉は聞いたことがあっても、どういう定義なのかなかなか説明ができないのではないでしょうか。
改めて、グループワークの言葉の意味について見てみましょう。
言葉の意味を見ると、「集団における共同作業の中で、応じた対処をしながらグループとしても個人としても成長をしていくこと」と言えます。
「グループワーク=就活」というイメージが強いですが、これを見ると就活生だけの物ではなさそうですよね。
グループワークの進め方と役割
では、一般的なグループワークを進め方について見てみましょう。まずグループワークで行うのが、それぞれの役割分担です。
大きく分けて
・書記
・タイムキーパー
・メンバー
がいます。それぞれの役割としては、
進め方のポイントとしては、
・ブレスト
・意見アイデア出し、ブラッシュアップ
・自分たちの意見をまとめる
・報告
というのが一般的な流れになります。
私は学生時代に、時間内に自分の意見がまとめることが苦手で、意見がなかなか言えなかったので、書記やタイムキーパーなど役割を持つことでグループワークに参加して、発言する機会を作るように心がけていました。
なかなか発言ができない・・・と思っている人は自分から積極的に役割を担うとか、司会者のサポートをするなど方法はいくらでもあるんですよ。
グループワークは就活生だけのものではない
就活でのグループワーク
さて、ここではまず就活でのグループワークについて見てみましょう。
就活の面談のステップとしてグループワークがよく使われますが、一体グループワークで面接官は就活生の何を見ているのでしょうか。
それは大きく2つ、「何が問題か理解する力」と「グループワークの中での対人関係」です。
実際グループワークに参加してると、自分のアピールに必死になってしまい、なかなか相手が自分をどう見ているか、何を見ているかの目線を意識することができていない人が多いのですが、相手が何を見ているのかが分かれば、自分の中にある特性をどうアピールするか考えることは可能です。
就活生を私が見た中で、この人スゴイな~と思った例と、自分自信も含め失敗してしまった例をあげさせていただきました。
・まったく意見を言わないで終わった
・メンバーと意味のない言い合いをしてしまった
・司会者になったはいいが、みんなの意見をまとめられなかった
・1人の独壇場になっていた
・皆が意見しやすい雰囲気を作っていた
・問題が何かを全体で共有できていた
・相手との建設的な会話ができていた
・自分で考えた意見を言っていた
などがあります。
見ているのは、その人のグループワークへの参加姿勢を見ながら一緒に働きいたいか、会社に貢献しているイメージができるかどうか、など例えチェック項目があったとしても、それだけでは推し量れない会社との相性も実はあります。
私も過去に就活の面談で落ちた時は、「自分の全人格を否定された」と人生の絶望を悟ったかのような状態の時もありました。
でも、面接官として対応する立場になると、人と人の相性や、一緒に働くイメージが湧くかどうかなどもあるので、あまり自己否定をしないことをオススメします。
もし、失敗してしまったり、過去のグループワークで「あ~あの時同じような失敗をしてしまった」という経験がある方は、ラッキーですよ。自分のミスや、大勢の前でしてしまいがちな特性に気付くことで、「どうしたらより良いグループワークに繋がるか」を考える機会になるので、失敗も次へのステップになります。
社会人でのグループワーク
さて、次に社会人になってのグループワークですが、どんな物があるのでしょうか。
新入社員の研修でだったり、3年目研修や昇格試験などで経験したことがある人もいるのではないでしょうか。
しかし、色々調べたり私の過去の経験など思いだしたり、友人など多くの社会人に聞いてみまましたが、「グループワーク」「グループディスカッション」って言葉を使って対応をした覚えが無い。との意見が多数でした。
ただ、社会人になってのグループワークやグループディスカッションは無いけど、その分「会議」「ミーティング」が増えてきて、その時のグループ内の対応は就活生のグループワークにとても似ているのでは!?という話になり、それぞれの役割と当てはめてみると・・・
・書記 → 書記、報告者
・タイムキーパー → ミーティング時間
・メンバー → その場に参加した人
となり、ミーティングと同じ条件になりそうです。
就活の時に対応していたグループワークは、社会人になってのミーティングに繋がっており、その「問題解決力」「対人力」などは、社会に出て当たり前に求められる力で、それができているかどうかが「あの人は仕事ができる」「あの人と一緒に働くと仕事がスムーズだ」という評価にも繋がっていきます。
では、次に何が社会人のグループワーク力なのか見ていきましょう。
社会人になってからのグループワーク力
ミーティングに参加していますか?
社人経験のある方や、アルバイト・パートをした経験がある方なら、仲間同士でミーティングを経験したことがある人が多いのではないでしょうか。
その時のミーティングで「自分が積極的に参加したミーティングだった!」「有意義な意見交換ができた」かどうか考えてみてください。
その人の性格などもあるけど、私はなかなか意見を積極的に言えない方でした。
ミーティングに参加した多くの人は「意見を言わなかった」「誰かが意見を言うのを待っていた」「話の内容があまり理解できなかった」「自分とはあまり関係ないこと」なんて自分事として捉えていない人が多いです。
この状態は、就活生のグループワークで言ったら、不合格の状態になってしまい、残念ながらミーティングに参加していない・意見がないのと同じになってしまいます。
ムダだと感じさせるミーティング
ミーティングに参加して、ただただ時間だけが過ぎて何を話しているか分からなかった、という経験ありませんか。
私も社会人になって、一緒に働いていた上司が
いや~、今日のミーティングは長かった!何も決まっていないけどね
!?!?。何を会議で話していたんですか
○○について決めることになったんだけど、△△部署と□□部署がお互い譲らなくて、ずっと平行線。決まりかけたら、また同じところに話がもどっての繰り返しだよ
結局決まったんですか?
いや、また改めて話合うか、部署間できめるんじゃないかな~。今日はもうこれ以上仕事できないかな
と、何も決まってらないのに5時間近く会議の話を聞いたときには驚きました。
解決したい目的があるのに、時間だけが過ぎてしまい何も決まらないミーティングに参加した同期に話を聞いてみると、
・とりあえず、そこにいることに意味がある
・言われたことしてればいい
・意見を言えたとしてもどうせ意味がない
など、ミーティングが自分とは関係ない他人事になってることに気付きました。
このミーティング方法では参加している人もただ時間が過ぎて誰かが決めてくれるのを待つだけで、参加した一部の人だけの話合いの場・自分の事や自分の部署だけのことを考えたミーティングは、時間だけが過ぎてしまい参加している人も疲弊し問題解決もできていない悪いミーティング例と言えます。
良いと感じさせるミーティング
では、良いミーティングとはどんなミーティングでしょうか。
転職した先の会社で初めて課内のミーティングがあった際、あまりの短さに驚いた経験があります。40分くらいの時間の中で、
・現状の滞っている業務
・お客さんとの対応
・営業成績の状況
・起きている問題の解決策
・スキルアップの簡単な勉強
これだけの内容を短時間に終わらせ、お互いの認識一致させて、上司は問題をどう対応するかの指示をしたことに驚きました。
どうしたらこんな短時間にお互いの認識を一致させることができたのか。
次のミーティングに参加するまでに先輩の行動を見ていると、事前準備に会議以上に時間をかけており、当日は報告と自分だけでは判断できないことと課内で共有したほうが良いことに整理していることが分かったのです。
仕事ができる時間は限られていますし、参加しているメンバーの時間を使っているので、できるだけ簡潔に、そしてお互いの認識を一致させたり、すぐに問題が解決できなくても何が問題でどうしたらいいかを話し合える空間を作ることができる事は仕事をしていく上でとても重要なスキルとなりますよ。
皆が集まるミーティング(グループワーク)での対応や意見出し・アイデアによってその仕事の結果が大きく変わることもあるので、どうやって段取りができるかが、その人の仕事力の差にもなってくるのです。
ミーティングや会議の目的にもよりますが、せっかく集まった皆の時間をどう使うか、このミーティングでは何をしたいのかを明確にすることで、参加した人が自分でどうしたらいいか考え行動できたり、情報共有ができると良いですね。
どうしたらミーティングで力が出せるのか
良いミーティングの定義
では実際にどうしたら良いミーティングができるのでしょうか。
ここで「良いミーティング」とは何かをもう一度考えてみましょう。
1.自分の意見を言える・言う
2.今何が問題か分かる
3.情報の共有ができる
4.会議をした後に何をするか理解する
5.今後の方向性
1.問題・課題の共有
2.意見やアイデアを言ってもらう
3.会議後、参加者が行動してくれる
4.時間内に指針がでる
5.問題の解決・方向性が決定
当たり前のように見えますが、参加者が多くなればなるほど、会議を開く側は参加者に伝えたいことや理解してほしいことが意外にも伝わっていないというミスコミュニケーションが起きていることもあるのです。
良いミーティングの下準備
では、参加者・メンバーにとっても、開催する側にとっても良いミーティングとなるために、開催する・司会する人はどうしたらいいのか考えていきましょう。
1.問題の共有・お互いの認識を一致させる
何が問題だったか会議後に分からなくなってしまうことってありますよね。
それは、進行役の人が問題定義を曖昧にしてしまったり、伝えたつもりで伝わっていないこともありますが、ある一定の時間話ていると話題が色々うつり、参加している人が何について話しているかは分かっても、一番大切な「この会議で何を伝えたいか」の議題が分からないで終わっていることも多々あります。
お互いの認識を一致するためには、最低限、会議の最初と最後で今回の会議の目的を確認することが大切です。不安な時は、誰かに今回の会議のまとめや自分の役割が分かったか確認してみる方法もあります。
その他にも、それぞれに何かしてほしいことがあったら指示だし・確認をするのも大切ですよ。
2.意見を言いやすい空気作り
何か発言をした時に「恥ずかしい思いをしてしまった」何てことありませんか。
どんな意見を言っても受け入れられる空気を作るのはとても大切なことです。会議と少し関係ない話からヒントが出てきた、社歴が浅い人だから見えた社内の当たり前だった問題に気付けた、なんてこともあります。
より多くの人の意見が出れば、問題解決やプロジェクト進行のアイデアが出て選択肢が広がりますよ。
また、意見を言えて聞いてもらえたという事で、その仕事やプロジェクトに参加している意識にも繋がるので、仕事の進み具合も加速することだって期待できます。
3.常に何が問題か認識しておく
話合いを進めていく中で、議題と問題が必ずしも一致しているとは限らない事も出てきます。
話し合っていくうちに、「本当の問題点は○○だった」と気付けることもありますよね。
その時、司会進行の人が本当の問題点を認識し、全体の舵取りが必要になることもあります。司会者がうまく問題の根幹を理解できていればいいですが、皆の話を聞いていて何が問題になっているのか分からなくなってしまうこともあるのではないでしょうか。
そんな時は、「問題点をもう一度確認しましょう」と言って全体に問いかけながら探る方法もありますし、まとめるのが得意なメンバーに「今回の一番の問題ってなんだと思う?」と確認してみるなどの方法もありますよ。
4.事前の準備をシッカリする
スムーズな会議を行うには、事前の準備をシッカリしておく必要があります。
皆の認識が一致できるような資料やパワーポイントだったり、どの順番で話すと皆が理解しやすいかなど準備しておくと当日の流れがスムーズになります。
また、皆の雰囲気や状況でその場の流れも変わってくる可能性もありますが、
・ゴールはどこにするか
・これだけは共有したいこと
など自分の伝えたいことだけではなく、相手にどう受け取ってほしいかも自分の中でシッカリ意識しているかどうかで、会議の流れや伝わり方が大きく変わってきます。
なので、自分の意見ばかり話すことに夢中になって、誰の意見も出ないくらい報告だけの会議になってしまわないよう注意してくださいね。
5.会議後の対応を明確化しておく
会議の目的によりますが、ただ現状を報告するだけ・認識を一致するだけの集まりではなく、問題を認識した後メンバーにどう行動してほしいかがあるのであれば、それを伝えることがとても大切です。
分かっただろう・伝わっただろうでは、実際には、分かっていない・伝わっていない状態で物事が進んでいき、最初は小さな食い違いだったことが時間が経過すると大きな違いになってしまうこともあります。
相手の考える余裕を無くしてしまうと、メンバーがただ言われたことだけをすることになってしまいますが、適切な方向付けだけはしておくと、何がゴールなのかが分かり、自分で何ができるか考えることができますよね。
2.意見を言いやすい空気作り
3.常に何が問題か認識しておく
4.事前の準備をシッカリする
5.会議後の対応を明確化しておく
全部できたらいいですが、なかなか限られた時間でお互いの認識を100%一致させるのが難しい場合は、これだけは伝えたい・ここだけは理解してほしい!ということに絞って最後に伝えるのも効果的ですよ。
リーダー不在のミーティング方法
良いミーティングについてみてきましたが、必ずしも司会進行者が「何が問題か」を理解しきれていなかったり、全体を回すのが苦手なこともありますよね。
そんな時はどうしたらいいのか。
リーダー(司会)がいないミーティングが進んでいけば何のまとまりも無く、集まって終わりとなってしまうこともありますが、最終的な目的を皆で一致させ、そのために何が自分にできるか、最善の行動をそれぞれが行動し結果を出すようにすれば最高の結果がでる可能性だってありますよね。
つまり、個々が自分の為にしたいこと・できることを見つけて自分自身で行動はしているけど、だけど最終到達地点が一致していれば上手くいくこともあります。
ただ、その為にはお互いを尊重して足の引っ張り合いなどをせず、自分から何ができるかを考えられるメンバーである必要があるので、その状況を作るという自分の気持ちが大切です。
司会者不在でもメンバーのゴールが一致していればリーダーが不在でも物事が進んでいくこともあるので、ぜひ何かの会議やミーティングに参加するときは、自分はどうしたいのか考えて見てくださいね。
まとめ
グループワークやミーティングなどの目的や方法は色々ありますが、まず大切なのは皆が集まった状況で何がしたいのか、認識一致・アイデア出し・問題解決などをメンバー間で確認しておくことが大切です。
グループワークの良いところは、自分だけでは考えられない思い付きや解決策が人とのコミュニケーションを通じて出てきたり、1人ではできないプロジェクトや仕事を一緒にできる機会になります。
ぜひ、ただ参加するだけだった・1人で頑張りすぎていた人は、どうしたらもっと皆の力を発揮できるような会議内容になるか考えるキッカケきっかけにしてみて下さいね。
色んな事が自分事になると、ミーティングに参加することも仕事をすることもより楽しなるよう応援しています!
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