誰かと一緒にいることで安心ができたり、勇気をもらえることも多いですが、たまに周りに合わせるのが疲れて、「人が嫌い、関わりたくない…。」と、誰でも一度や二度は、こんな気持ちになったことがありますよね。
自分のタイミングよく人と関わったり止めたりすることができればいいですが、人は生きていく上で自分のその時の気持ちで人との関わりを選択することは困難です。
もし、誰かと約束しているときに「人と会いたくないから今日は参加やめておくね」と急に連絡が入ったら、相手に対してマイナスな感情を抱いてしまいますよね。
そんな時、わたしたちは一体どういった気持ちで人と向き合い、関わっていけば自分も相手も心地よくいい関係を作りながら関わっていくことができるのでしょうか。
今回は、人が嫌いで関わりたくない人が、上手に人と関わり向き合うための方法についてお話していきます。
自分らしい人との付き合い方を考えるきっかけになってもらえれば嬉しいです
目次
なぜ人が嫌いで関わりたくないのか
まず、人と関わりたくない理由として挙げられるもので最も多いのは「気を遣うのが疲れる」「めんどくさい」が挙げられます。
特に、気持ちに余裕の無い時には、人と関わる事自体が煩わしくなってしまいますよね。
しかし、「気を遣うのが疲れる」、「めんどくさい」という理由だけで「人が嫌い」とまでいくことは少ないのではないでしょうか。
「人が嫌い」と言い切れるのは、よっぽどの理由があるはずです。
人が嫌いな状態が
・そもそも人と関わること自体が苦手なのか
・人数や条件が揃えば関わることに問題がないのか
自分の状況をまず考えてみましょう。
条件が揃っていれば、人が嫌い・人と関わりたくない状態から抜け出せるのであれば、自分の得意な状態でできるだけ合う様にすれば問題ありません。
でも、「なんとなく嫌なんだよね…。というときは自分でも気付いていない本音や心の傷が、あなたを「人嫌い」にしているのかもしれませんよ。
ここでは、あなたが人が嫌いで、人と関わりたくないと思っている本当の理由を覗いてみましょう
人に傷つけられた過去があるから
人に心を傷つけられて悲しい思いをいしたことがある場合、その傷がトラウマとなってしまい、人間不信や人嫌いになってしまっていることが考えられます。
過去に人に嫌なことをされた、言われたことで深く心を傷ついた方は
・もうダマされたくない
・人は所詮汚い生き物だ
こんなことを無意識に考えてしまい、人が嫌いになり、人と関われなくなっているのかもしれません。
ただ、それは心にこれ以上ダメージを与えないように、あなたがあなた自身を守ろうとしている証でもあります。
みんながあなたを傷つけようとしているわけではないので、心許せる友達を見つけたら、そこから交友関係を広げてみてもいいですね
自分に自信がないから
人との関係を避けてしまう人の中には、自分に自信が無い人、自己嫌悪しやすい人、自己肯定感が低い人も、人が嫌いで、人と関わりたくないという方が多い傾向にあります。
実はこれは、人が嫌いなのではなく、「自分が嫌い」な人なんです。少し分かりにくい表現かもしれませんが、もう少し詳しく説明しますね。
人は無意識のうちに、自分の心を守ろうとする防衛反応が働くものです。
自己嫌悪しすぎたり、自分を責めたりすると、無意識の自分はその不快感を和らげようと、自分ではなく他者に否定的な感情を抱くことがあります。
つまり、自分に嫌悪を向けるかわりに、相手へと嫌悪を向けることで、自分を守ろうとする一種の防衛反応のようなものです。
これは、精神分析学の創始者として知られるジークムント・フロイトとその弟子によって提唱された「投影(とうえい)」という心の働きとして知られています。
特に理由が無く、よく分からないけど、なんとなく嫌いな人がいたり、特に何もしていないのに理不尽に相手に嫌われたりといった経験が誰にでもあるはずです。これも投影の働きによるものと考えられています。
人に理解されない/理解できないから
人には他者に理解されたいという願望があり、自分が理解できないことに対して不快感を覚えやすいと言われています。
人は他者に理解されないと感じると、関わることが嫌になってしまったり、他者に対して不快感や不信感を抱いてしまうことがあります。
また、周りに理解できない人(価値観が極端に異なる人)がいる場合も不快感を感じ、人と関わること自体に嫌悪を感じてしまうこともあります。
人はみんな違うからこそお互いを知る楽しみや、理解し合えた時の喜びもありますよ
人と違うことを否定するのではなく受け入れることで、相手も自分を認めてくれる様になり、「人が嫌い」という感情が薄れていくので、試してみてくださいね
人が嫌いでも上手に人と関わり続けるには?(解決策)
いくらシステムが発達していっても、人は1人きりでは生きてはいけません。
現代社会は情報やモノに溢れているため、自分1人だけで生きているような気持ちになってしまいますが、実際のところは目に見えない形でさざまざまな人の支えで生きています。
いくら人を避けていても、時には、どうしても人と関わらなければいけない場合があるでしょう。そういった時に、人が嫌いな人、人と関わりたくない人は、どうやって上手に人と関わって行けばいいのでしょうか。
ここでは、人嫌い、人と関わるのが苦手な人が上手に人と関われるようになるために必要なことを紹介していきますね。
なぜ人が嫌いだと感じるのか考えてみる
まずは、なぜ自分が人が嫌いなのか、関わりたくないと感じるのか考えてみることからはじめましょう。
嫌いな人と無理矢理関わっても、お互いに良くありません。一時的には上手くいくこともあるかもしれませんが、したくないことを強いられているとストレスが溜まってしまい、またすぐに人と関わりたくなくなってしまいます。
小手先のノウハウを学ぶよりも、自分がなぜ人が嫌いで関わりたくないのか、自分の心を見つめなおすことで、少しでも人に対する苦手意識を改善していくほうが建設的でしょう。
人が嫌いな理由は人によってさまざまであり、克服や改善のためのアプローチもそれぞれ異なります。
例えば、人に傷つけられたことがトラウマで人と関われなくなっている場合には、専門家によるカウンセリングを受けて心の傷を癒す方法があります。
また、自分で自分の心の傷に気付いてあげるだけで、心の傷が回復する人もいます。
自分の嫌な部分を相手に投影して人嫌いになっている場合には、自己嫌悪する自分の心に気付くことで、相手と自分を切り離して考えられるようになり、自然に人に対する嫌悪感が和らぐ場合もあるでしょう。
これは一部例ですが、人嫌いの理由が分かることで、思わぬ解決策が見いだせることがあるのです。
解決策が直ぐに見出せなくても、自分の本音に気付くことで、人と向き合うことに対する気持ちに何らかの変化が見られることは間違いありません。
必要最低限だけ関われれば良しと考える
人と関われないことと悩みに思っている人の中には、円滑に楽しく人と関わりコミュニケーションすることを理想している人が多いように思います。
しかし、何のストレスも焦りも悩みも無く人と関わっている人など、実際には皆無です。
誰しもが人と関わる際には気を遣い、言葉を選んだり、反応に一喜一憂したり、人と関わることが億劫になることも時にはあります。
もし、そのような悩みが全く無く、考えたこともないというのであれば、その人は人の立場や気持ちを考えず、自分よがりの関わり方をしている人ということになります。
人と関わる際には、誰でも何かしらの悩みを抱えるもの、上手くいくことばかりではない、と頭に入れておき、あまり完璧を求めようとせず最低限のコミュニケーションをとれればいいと考えましょう。
むしろ、人嫌いで関わりたくない性分なのに、人と関わる努力をしている自分を褒めてあげてください。
人と上手く関わることは一朝一夕では上手になりません。経験でしか上手になれないことなので、あまり力みすぎないのがコツです。
マイペースに人とゆっくり関わり続ければ自然に出来るようになっていくものなので、安心してくださいね。
必ずしも大勢と関わることがいいことではなく、自分にとって心地い人数の人と関われればOKと決めるのもいいですね
皆から好かれようとしない
皆から好かれよう、嫌われたくないと思うあまり、人に気を遣いすぎて疲れてしまい、人と関わりたくなくなることがあります。
みんなに好かれようとして、人間関係に疲れていませんか?
それだけでなく、人に合わせすぎた生き方をしすぎると、自分というものが無くなり、そんな自分が嫌いになり、余計に人が嫌いになってしまう可能性もあります。
皆から好かれようとしすぎると、いいことは何もありません。人の意見に耳を傾けることも時には大切ですが、自分の意見を聞いてあげることも忘れないででください。
意見の合わない人がいたり、理由もなく自分を嫌いになる人がいるということは避けられない現実。どうあがいても無くなりはしません。それは自分だけが原因ではないですし、ましてやあなたのせいでもありません。
人と上手に関わるには、少し図太くなるように心がけることも必要かもしれませんね。
コミュニケーション能力を高める訓練をする
人と上手に関わるにはコミュニケーション能力も強い武器になります。そして、コミュニケーション能力は誰でも訓練で高めることができます。
方法はとても簡単、人と関わり続けることです。つまり経験ですね。
人と会話をしたり、意見を交わしたりすることでコミュニケーション能力は磨かれていき、いつしか自然に苦無く人と関われるようになり、関わるだけにとどまらず自分の意見を言ったり、上手い返しをすることだってできるようになります。
ただ、それにはかなりの時間がかかるので、1日、1ヵ月、1年ではどうにもできないことは念頭に置いてきましょう。途中で投げ出さず、マイペースでもいいので人と関わる、コミュニケーションをとり続けるようにしましょう。
関わっていると、「この時はこんなふうに対応すればいいんだ」「こう言えば、気分を悪くさせることなく自分の意見を言えるんだ」など気付きや発見が現れてくるはず。こんな考えが思い浮かべばもう大丈夫、あなたはもう十分に人と上手に関われているはずです。
人との会話は話し上手になる必要はなく、上手に聞くコツを掴んだ方が相手が話してくれるので、気が少し楽になれますよ
人嫌いがどうしても人と向き合わないといけない場合どうする?
どうしても人が嫌いだし、関わりたくない、でも仕事や人付き合いで人と関わらなくちゃいけない…。
こんな方も中にはいらっしゃることでしょう。人が嫌いな理由が分かったところで、その気持ちが変わることは無い、やっぱり人と関わりたくない、そんな気持ちも理解できます。
では、そんな時には、どのようにして人と向き合うべきなのでしょうか…?
トラブル無く、お互いにとってマイナスにならないような方法を紹介します。
会社や仕事内容を選ぶ
どうしても人が嫌いで関わりたくないのであれば、無理に人と付き合う必要はありません。仕事の場合は業務連絡だけ、必要以上の会話や関わりは持たなくても大丈夫です。
ただ、会社の場合、社風というものがあります。みんながフレンドリーにコミュニケーションを取り合いながら会社をつくっていこう!という空気なのであれば、そういたスタンスは間違いなく敬遠されます。
人嫌い、関わりたくないという方は、個人がそれぞれのペースで作業できる仕事場や仕事内容を選ぶことで、人付き合いの負担を軽減できますよ。
営業職や誰かとコミュニケーションを多く取らなければいけない職種を避けたり、リモートワークでのみコミュニケーションを取れるところも増えているので、自分にあった職種や会社を選ぶと、ストレスが減ります。
自分がどこまでなら対応OKかも考えてみるキッカケにしてみてくださいね
人を傷つけない&マナー違反さえしなければOK
無理に人と関わり合う必要はありませんが、挨拶をしない、お礼が言えないなど礼儀を欠いたマナーはNGです。また、人が嫌いだからといって人を傷つけたり、社会マナー違反をすることも許されません。
なぜここまで強調するのかというと、人と関わらない(=愛想が悪い)人というのは他人から指摘さやすい傾向にあるため、少しの失敗や弱点が大問題に発展することがあるからです。
普段から愛想が良く、みんなから好かれている人であれば許されることも、そうでない人には風当たりが強くなるものです…。
そうなれば、四方八方から嫌な指摘をされることになり、余計に人との関わりがストレスになり、本末転倒になってしまいます…。
自分が相手に「嫌い意識」を持っているのに、相手は自分に好感を持っていることは考えられないですよね。
嫌いな相手は同じように自分を嫌いまたは良い印象を持っていないということを前提にして、指摘されない立ち振舞いを心がけておくことを忘れないでくださいね。
深く考えすぎて人嫌いになる前に、関わるときの方法を押さえるようにしてください。
誘われても参加しないキャラクターと認めてもらう
人が嫌いで、これからは人と関わらなくてもいいや!と思えていれば問題ありませんが、「やっぱり少しは人と関わりが欲しいんだよね…」と思うのであれば、そんな自分ごと相手に受け入れてもらいましょう。
最初は、なかなか難しいかも知れませんが、グループでの交流の場合、必ずしも全員参加でないといけないわけではありません。
自分をそのまま受け入れてもらえると、もしかしたら気持ちも変わるかも知れませんよ
その場合は、自分の状態や「人に会うのが苦手だけど、誘われることは嬉しい」という素直な気持ちを相手に伝えることも大切です。
まとめ
人が嫌いで関わりたくないという方が、人と上手く付き合っていくためには、自分がなぜ人嫌いで関わりたくないのかの理由を考えてみることからはじめてみましょう。
自分の気持ちや、どんな状況なら大丈夫なのかがわかれば、意外に「人嫌いではなく、意見を強くいってくる人が苦手」「大人数で初めて会う人が多い環境が苦手」など、自分の特徴がわかってきます。
自分の本音に気付くことは、今までの考え方を変えたり、人の見方が変わることに繋がります。すると、案外スムーズに人と関われるようになることがあるのです。
また、最初から上手に関わろうとしようとせず、誰でも人と上手に関わることは難しいということを知り、自然体でいることがストレス無く上手に人と関わっていくコツです。
最後に、マザーテレサの有名な言葉を紹介します。
愛情の反対は憎しみではない。無関心だ
実はこれは、人嫌いの方にも当てはまることだと言われています。
本当に人と心的な距離を置いている人は、実は驚くほど、人に対して無関心なんです。
つまり、人が嫌い、人が憎いという方は、実際の心の中では人を愛しているという人が多いのです。相手を思いやれる優しい人が多いのかも知れませんよ。
この記事をキッカケに、いろいろな方向から自分の心を覗いてみると、人嫌いの克服や人と上手に関わるヒントが見つかりますよ。
あなたにとって最高の人間関係が作れることを願っています。
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