会社に勤めてサラリーマンをしていた頃、よく耳にしていたあの言葉。
上司や先輩の口からよく聞かされた言葉です。ある人はドヤ顔でいい、ある人は説教のように声をあげてくる。ただ、それってホントのところどうなんですかね?
「体調管理も仕事のうち」
当たり前の言葉だと疑問に感じたこともなかったのですが、実際のところどうなのか?
僕は大学を出てサラリーマンをしていたんですが、退職をしてから貧乏生活など色んな経験をして、今は会社を経営する立場になりました。
いい機会なので、「体調管理は仕事のうちかどうか」について、雇われる側と雇う側の視点、そしてまた別の視点から整理してみたら、その答えが見えてきました。
体調管理って仕事のうちなのか?を整理してみました
そこで、整理して見えてきた答えを、これから伝えていきます。
目次
体調管理は仕事じゃないでしょ!と思ったサラリーマン時代
企業に勤めるサラリーマンやOLが1度は言われたことがある言葉。僕もサラリーマン時代に言われてきました。
体調を崩したとき、または身近で体調を崩している同僚がいるときに、上司から「なってないな。体調管理も仕事のうちだぞ!しゃきっとしろ!」などと言われましたよね。
「いやいや、あなたも先月ゴホゴホいってましたよ?」
とは怖くて口に出さないけど、納得いってませんでした
ではまず、「仕事とは何か?」を整理してみます。
仕事とは、、、
1 何かを作り出す、または、成し遂げるための行動。
2 生計を立てる手段として従事する事柄。職業。
3 したこと。行動の結果。業績。
(朝日新聞社が運用する コトバンク より引用)
とあります。
それぞれについて、体調管理が仕事にあてはまるかどうか、を照らし合わせてみると、、、
1は、体調管理が何かを作り出すわけではないから、仕事ではなさそう。
2についても、体調管理が職業、といういわけでもないので、これも違う。
3の「行動の結果・業績」。体調を崩して業績が悪くなることはあるので、あてはまるかもしれない。
なるほど。言葉の定義から照らし合わせてみると、あてはまるケースもありそう。
ただ、サラリーマンの立場としては、こんな意見も。
仕事は先輩たちにやり方を教わって、できるようになりますよね。
なのに、体調管理の方法について教わったことはない。それじゃあ体調管理ができていなくても当然じゃないか?
学校の授業でも教わったことがないわけですから、その具体的な方法をみんな知らないわけです。
・体調管理 → 教わってない → できないのは当然
という図式ができあがります。
「そんなの自分で調べろよ!」と言う上司もいそうですが、「仕事だと言うなら、その方法を教えてくれてもいい」というのも、あながち間違ってないですよね。
体調管理も仕事のうちでしょ!と会社は考えている
では次に、会社側(雇用者側)の意見を整理してみます。
「体調管理も仕事のうちなら、体調管理にかかる費用を払ってくれよ!」
「会社側がサポートしてくれるのが当然でしょ」
という意見に対して、会社はこのように考えています。
「会社を休んだら仕事はできない。だったら体調を整えるのは仕事のうちでしょ」
僕の意見は少し違いますが、課長や部長に昇進して出世コースを歩んでいる友人たちに聞くと、ほとんどの人の意見がこうでした。ただ、なかには、このような意見も。
「体調を崩すのはしょうがない。風邪をうつされることもあるし、防ぎようがないのも理解している。そうではなくて、自分で気をつけることで防げることもある。それを管理してほしい」
つまり、
というように、
- 不可抗力によるものであれば、どうしようもない
- でも、自分で管理することで体調を整えられるものは管理して
という意見です。これは的を得ているなーと。
「体調を崩して会社を休むこと=悪」と決めつける人もいますが、それはちょっと乱暴ですよね。誰かにうつされることや、突然のトラブルに巻き込まれることもあるから。
体調を崩した原因によりますよね。
ここでまた、別の視点で考えてみたら、「体調管理は仕事のうちなのか?」の答えが見えてきました。
体調を崩すことで、最も損をしているのは自分だった
体調を崩すことで、
- 業務がストップする
- 大切な打ち合わせや会議に出られなくなる
- 大きな企画のプレゼンができなくする
など、何かしら影響がでることに。
その時、会社が損をするように感じるかもしれないですが、実は、一番損をしてしまうのは自分なんです。
- 業務がストップする → 会社や同僚に迷惑がかかり、評価が下がる
- 大切な打ち合わせや会議に出られなくなる → 会社や取引先からの信頼を失う
- 大きな企画のプレゼンができなくする → 自分を成長させるチャンスを失う
- 仕事がたまる → 自分の時間が失われる
会社にも何かしらの影響がでるのはもちろんだけど、それ以上に自分自身が悪い影響を受けることに。
仕事ができなくなれば、当然収入も減る。そして生活できなくなるわけです。
体調管理は、会社のためではなく、自分のために必要なんじゃないか?と考えるようになったのは、会社を辞めて起業したのがきっかけです
体調を崩すとお金も時間もできることも不自由になる
僕は、サラリーマン → 個人事業主 → 会社経営と、様々な立場を経験してきました。
30才になって起業し、4年ほど個人で活動していたのですが、起業当初、こんなことが頭をよぎりました。
そう、自分が動けなくなったら仕事ができなくなるので、収入がなくなり、家賃が払えなくなり、実家に帰るしかない。これはやばいって思ったわけです。実際そのとおりで。
たとえば風邪を引いて1日寝込んだとすれば、その24時間は何もできなくなりますよね。
24時間あったら、けっこう色んなことができます。
新しいビジネスのアイデアを出したり、セールスして売り上げを増やしたり、お客さまとの打ち合わせをしたり、途中になってる仕事を終わらせてすっきりしたり。それができなくなる。お金で買えないその時間は、返ってきません。
今は1つの会社に勤めるだけではなく、副業(複業)や兼業、起業して会社を経営する、個人事業主やフリーランスとして活動するなど、働き方が大きく変わってきていますよね。
会社に頼らず収入源を増やすために、個人での活動も増やしていく、という流れ。
そのためには、絶対的に「体調管理」が必要になります。なぜなら、自分の体が動かない限り、新しい挑戦はできないから。
7時間かけて体調管理しているアスリート
体調管理のエキスパートといえば、アスリートを思い浮かべる人も多いと思います。
なぜなら、最高のパフォーマンスを生むには、体調管理が必須だから。
数々の記録を打ち立て、生きる伝説となったイチロー。イチローさんは、ケガや病気で試合を欠場したことがないほど、体調管理に気を配っていたそう。
また、「走塁のスペシャリスト」と呼ばれ、代走での通算盗塁数、日本一の記録を持つ元プロ野球選手の鈴木尚広さんは、たった一度の出番のために、7時間ほどかけて体と気持ちを整えることもあったんだとか。
確かにアスリートにとって、最高のパフォーマンスを生むことは、仕事。
ただ、最高のパフォーマンスを生むことは、サラリーマンや経営者、フリーランスで働く人にとっても必要です。
パフォーマンスがよければ、短い時間で仕事を終わらせることもできるし、いいアイデアが生まれて新しいビジネスを作り、売り上げを増やすこともできます。飲み会やイベントなど、色んな場所に顔を出して、人脈を増やすこともできちゃう。
体や脳のパフォーマンスがいいと、好循環が起こります。
これは仕事の話だけではないんです。
健康じゃないと、何もできない
たとえば、寝たきりになってしまったら、いくらお金があってもやりたいことはできなくなりますよね。
大切な人と旅行に行くことも、家族と一緒に時間を過ごすことも、行きたい場所に行くことも、美味しい料理を食べることもできなくなる。
デートに行ったり、好きなカフェでリラックスしたり、友達と飲みに行っておしゃべりしたり。それができなくなるなんて、辛すぎる。
体調を崩すことは、仕事の話だけではなく、自分の人生においても、何も得することがありません。
そう考えると、人生を楽しむためには、体調管理ってめちゃくちゃ重要ですよね。
最高のパフォーマンスを生むために必要なもの
では、最高のパフォーマンスを生むためには、具体的にどんなことをすればいいのか?
じつは僕は「健康」には目がなくて、自分の体で色んなことをテストしています。
たとえば、
などなど。最先端の検査で自分の体調を可視化し、専門医の話も聞きながら日々パフォーマンスの良い状態をキープしてきました。
めっちゃ活発に活動してるけど、10年ぐらい風邪ひいてません
その経験のなかで、体調管理をするうえで特に重要だと感じた、3つの要素をご紹介します。
1:腸を休ませる
腸が疲れることで体の色んな部分に負担がいきます。腸の働きが悪くなると、脳にも炎症を引き起こすと言われており、腸を休ませることがとっても重要。そのために、まずは食べ過ぎない飲みすぎない。
と専門医に言われましたが、プチ断食などをして腸を休めるのもいいようです。お風呂に入って汗をかくのも良いんだとか。
あとは、最近よく耳にする、小麦などをとらない「グルテンフリー」や、乳製品をとらない「カゼインフリー」。
グルテンもカゼインも腸(小腸)に炎症を引き起こし、腸の粘膜を傷つきると言われているので、体調がよくなかったり、どうにも気分がすぐれない時は、しばらく抜いてみるのがおすすめ。副腎の疲労回復にもつながりますよ。
2:適度な運動(朝のウォーキング)
やはり体を動かすことは大切だと、どのお医者さんからも言われました。病院で問診票を書くとき、必ず運動量についての質問があるぐらいなので、体調管理の基本とも言えるのが「運動」。
僕は毎日通勤がてら1時間ほどウォーキングしてますが、十分な運動量だと言われました。歩くことで代謝がよくなるだけではなく、汗をかくことで体に溜まった毒素も排出してくれることに。
また、歩くことでやる気ホルモンのドーパミンや幸せホルモンのセロトニンが分泌され、体だけではなく心も健康にしてくれます。
20分ほど歩くと「ドーパミン」が分泌され、40分ほど歩くと「セロトニン」が分泌するのだそう。そのためストレス解消にも繋がります。特に朝は気持ちがいいので、おすすめ。
3:寝る前の時間をゆっくり過ごす
疲れを次の日に残さず、最高の1日をスタートするには、やっぱり睡眠が重要。
睡眠の質を高めるために、どのくらいよく眠れているかを測るツールを使い、日々睡眠の質をスコアリングしているのですが、実際によく眠れた前日の過ごし方を振り返ってみると、寝る1〜2時間前の時間の過ごし方が重要なことがわかりました。
どれだけ寝てもすっきりしないことはありますが、よく眠れたと感じた日の目覚めはいいし、すっきりと起きれます。寝る前の時間の過ごし方で睡眠の質が変わったので、ぜひ大切に過ごしてみてください。
この3つの要素を見て、「そんなの知ってるよ」ということもあったと思います。
でも、実際にやってますか?やったほうがいいのはわかってるけど、そうは言ってもなかなかできないものですよね。知っている人は多いけど、やっている人は実は少ないので、ぜひ、この機会にお試しください。
人生を楽しむための体調管理を
ということで、今回は「体調管理も仕事のうちか?」ということについて整理してきました。会社の中だけで働く環境だと、「体調管理=仕事」という意識は持ちにくいですよね。
ただ、アスリートにとって体調管理が仕事なように、フリーランスや起業して個人で活動している人にとっては、「体調管理は仕事」と意識することが増えます。
また、視点を変え、会社どうこうではなく、「自分のために体調管理は必要か?」と考えると、体調管理は必要。体調を崩して寝たきりになると、できることは限られ、時間もお金も不自由になりますが、パフォーマンスのいい状態をキープできれば、やれることは無限にあります。
会社のためと考えるとやる気は起きないけど、自分の人生を最高に楽しむため、自由な時間を増やすため、最高のパフォーマンスを生むために、体調管理をされてみてください。人生をさらに楽しみましょう。
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