世界中を家族で旅行したいなぁ〜と思う人はたくさんいることでしょう。
アフリカで野生動物サファリに行って、北欧でオーロラを見て、ニューヨークで本番ミュージカルを見て、南米ではマチュピチュやウユニ塩湖行って・・・家族で行ってみたいところはたくさんありますよね。
でも、でも、でも!!!
お金どうすんの?貯金切り崩していくんか?借金?
小学生や中学生の子供の教育はどないすんの?不登校?
いざ世界旅の計画を立てようとすると、次から次に不安や疑問や質問がわいてきますよね。
私たちは、世界中を旅しているトラベルファミリーです。オーストラリア人の夫と小学1年生の娘と年少の息子と私の4人家族で、今年は10数カ国訪れました。
この記事では、家族で世界を旅するために私たちが2年間かけて準備したこと、そして実際に家族旅を始めてもっとこんな準備をしておけば良かったと思うことと、あれは準備しておいて何より良かったというポイントをまとめました。
「家族旅行したいなぁ〜」という想いが、「行くぞ!」という決意に変わり、「行って楽しかったなぁ〜」という家族の思い出に変わる人が増え、旅人仲間が増えたら何より嬉しいです!
目次
まずは旅の情報を集める
どんな事柄でもそうですが、何かを新しく始めようと思ったら、まずはじめにすることは情報収集ですよね。家族で旅に出る時も同じで、私もここから始めました。
学童期の子供を連れて旅をしている家族はいるの?
学校に行かず、勉強はどうやってしているの?お金は?無職?無収入?
または、稼ぎながら旅を続けているの?どうやって?
調べたいことは山ほどあり、そして実際に調べて行きました。
「子連れ旅 世界 ブログ」とか「家族 世界一周」で調べながら、実際に家族で旅をした人の体験談を読みました。検索すると分かるのですが、子連れの世界旅をしている人って、いるにはいるけどその数は本当に少ないんですよね。で、子連れで世界旅をしている人をみつけても子供達は就学前だったり何年も前のブログだったりで、知りたいこととちょっと違ったりもしました。
でもですね、検索を英語ですると日本語よりもはるかに多くの子連れトラベラーのブログやトラベラーの子供が大きくなって今どうしているのかなど様々なサイトにヒットするんです。いろんな国の人々が子連れでアフリカに行ったり、南米をキャンピングカーで旅したりしています。しかも、現役トラベラーのブログなので、情報が新鮮でとっても重宝しています。
Facebookにも世界中のファミリートラベラーのグループがあり、トラベル中に困っていることの相談や家族で楽しめる地域の紹介など、リアルタイムで旅人達が投稿しています。英語でのクローズドグループで申請をして許可をもらわないといけませんが、5万人以上の旅好きな家族が参加している「Worldschoolers」(ワールドスクーラーズ)はとってもオススメです。私もメンバーですが、旅の参考になる情報が毎日のように飛び交っています。
あとは、「Project Worldschool」(プロジェクト・ワールドスクール)も要チェック。アメリカのシングルママが当時10歳の子供を連れて世界旅を始め、10年たった今でも旅を続けながら家族旅のサポートコミュニティーを運営しているのがこのグループです。毎年ワールドスクールの世界サミットが開かれていて、私達も先日のスペインサミットに参加して世界中の旅が大好きな友達が増えました。
ちなみに、これがプロジェクト・ワールドスクールの公式サイトです。
2年以上前に情報収集をしていたブログやサイトの運営者に今では直接会う機会もあり、あれから2年たって自分が彼らと同じ立場で世界を家族で駆け回っている幸せを感じます。
旅の情報収集真っ最中の時は、面白い記事やブログがあれば、夫に
ワールドスクーリングっていって、家族で世界を旅している人がいるよ〜どう思う?
もし家族で世界を回るなら、どこに行きたい?
などと尋ねながら、家族で世界を旅することを夫がどう思っているのか探って行きました。
夫婦での話し合い(また子供を交えた話し合い)
夫婦での話し合いって、どんな場合でも大切ですよね。家族旅でもしかり。
私はとにかく話し合うこと、相手の気持ちを察せずに話し合うことを心がけているので、私の気持ちが固まり家族で旅に出たいと思っている気持ちを伝える時は、真剣な場を持ちました。
ちょっと話があるから、今晩時間ちょうだいね
と予約を入れて話した結果、夫の返事は
ちょっと考えるのに時間ちょうだい
でした。
彼自身にも旅のメリットがないと、せっかくオーストラリアの国営放送でビデオジャーナリストとしてドリームジョブについている夫が仕事を辞めてまで旅に出たいとは思わないと思ったので、そこは作戦を立て、「自分の思い通りにビデオを撮って編集して、作品を作れるね」とか、「行きたい国で撮影できる機会があるよ」「子供との思い出が増えるね」「いろんなことを体験できて、子供の教育にもいいよね」などと話しました。
結局数日後、夫からの返事は
YES!!!!!
だったので、現在我が家は旅をすることができています。
旅の間も話し合いってすごく大切で、「今日のランチは何にする?」からはじまり、「どこのホテルに泊まろうか?」「こっちのホテルはちょっと高いけどキッズクラブがついてるから子供たちは楽しめそうだよ」とか、「移動はバスでする?」「電車?」「飛行機?」と、常に決断を求められます。
ここでも大切なのは、「きっと」相手はこう思っているだろうという予想をしないこと。
夫婦で長年連れ添っていても、旅の道中どうしたいのかなど日常にはない選択を求められることばかりなので、とにかく察せず言葉に出して話し合うことが何よりです。
そして、もし相方がどうしたいという意見を伝えてくれないときは、例えば一応「どうしたいの?」とは聞きますが「どっちでもいい」というような曖昧な返事であれば「どうしたいとかがなかったら私はちょっと値段は高いけどキッズクラブある方が子供達が楽しめるから、こっちのホテルにするね〜」と、自分の好みで旅をカスタマイズするのをお勧めします。
間違っても、相手はきっとこの安いホテルがいいんだろうなどと察して選んだ結果、家族の誰も感謝しないことに悲しくなり、自分も好みのホテルでないしいらいらするなんていう悪循環を起こさないでくださいね。
子供の教育について考える
学校に行かずに、世界を旅するってどうなんでしょう?落ちこぼれる?
不登校?社会に適合できなくなる?または、イノベーターの素質あり?
旅を始める頃には小学生と幼稚園生の子供達。特に、小学生になる娘は学童期のしょっぱなから学校に行かないってどうだろう?旅に行くなら教育はどうしていこうか?と、それはそれは準備期間中に考えました。
私は日本で約5年間オーストラリアで約9年間トータル14年の間、小学校教員をしてきました。経験からも教育が大切なのは十分知っています。しかし、各国を旅し教員としても働く中で、教育=学校ではなくなり、学校は子供の教育の手段であって目的ではないと気づきました。
オーストラリアでは子供たちが自宅で学習するホームスクーリングが認められており、バヌアツでは父親が息子に自然とともに生きる術を伝えていくブッシュスクールを実際に見たこともあります。
またドイツでは子供が理由なく学校を休むと警察が自宅にやってきて子供を学校に連れて行くという話もドイツ人の友人から聞きましたし、フランスの義務教育は3歳からです。学校も教育のあり方も各国ばらばらですが、それでも子供達は各国なりに育っています。
学校は子供達が社会に貢献していくハードとソフトスキルを学ぶ場であると仮に定義すると、世界を旅しながらも学べることはたくさんあるなぁと思うのです。言語の違う子供達と身振り手振りでやりとりしたり、異国の文化を体験したり、地図を読んだり、看板を読んだり、世界を旅する体験から学ぶことができます。
学校で黒板を見つめて、増える一方のカリキュラムに従って、たった一つの正解を探し求めて、決められた評価の通知表を受け取る時間から飛び出して、自分が学びたいと思うことを存分に世界中で追求するという経験はとても貴重だと信じています。
学校は子供達がいつでも学びに戻ってこれる場所でもありますが、小学校からは義務教育なので、親には子供の教育の義務が子供には教育を受ける権利があります。
我が家ではまずは娘に学校を体験させてみようとオーストラリアの義務教育1年間(幼稚園年長)をオーストラリアでと、日本の小学校1年生の1学期間を日本で普通に学校に行かせてみました。そして夏休み中に世界旅に出発し、もし娘が学校に行きたいと言うなら夏休み中に旅を終えて帰ってこようという選択肢も残しておきました。
結局は、「もっといろんなところに行きたい!」という娘の気持ちも聞き、2学期は学校に行かず家族で世界旅を続けています。
旅をしているから何も勉強しないというわけではありません。
教科書や問題集も持っていますし、なんならそろばんも持参しました。(でもあんまり使ってない!)道中、旅日記を書いたり、娘なりに行った国々を絵や文字でまとめたりしています。
旅の間に毎朝1時間の自習をするのか、教科書を持っていくのか、旅の間は旅から自然と学ぶことでオッケーとするのか、道中に学ぶスタイルが変わることも視野に入れながら、まずはどんな形で子供の学びを継続していくのか、子供を交えて話し合うことが大切です。
さてお金はどうしようか
お金がいくらかないと世界旅はできません。旅にもお金はやっぱり大切で、お金で食料も買うけど、安全も買います。
まずは、人それぞれ生活レベルが違うので、我が家の場合はどうなのかを実際に計算して調べるのが大切です。今現在は毎月いくら使っていて、海外では交通費、生活費、交際費にいくら使うのか。その概算を出す時は、はじめに情報収集したブログやウェブサイトを見て、実際に旅をしている人たちの旅の家計簿を参考にします。
私たちが準備期間中に考えていたのは、ヨーロッパだとホテルに1日1万円で、食費や観光代など入れると日トータル約2万円はかかる、東南アジアだと家族4人で宿が3000円から5000円くらいだから1日約1万円と見積もっておこう、という感じです。西欧の旅だと1ヶ月約60万円、東南アジアだと1ヶ月30万円の滞在費ということです。
お金が残って困ることはないけれど、足りなくなったら困るので、見積もりは多めにしていました。
旅を始めて実際のところ、お盆やお正月の5日間の休みに海外旅行に弾丸で行って帰ってくるというスタイルの旅行ではなくて、私達はその土地に暮らすように旅をする世界旅をしているので、毎日観光に馳せ参じるという訳でもありません。
なので実際に1日に使うお金は、スペインのサロウ(Salou)というリゾート地に泊まった時はキッチン付きの2LDK海まで5分のアパートメントが1泊3500円で、食事もスーパーで食材を購入し、日中のアクティビティは海やビーチ遊びだったので1日トータル5000円ほどでした。
反対にパリの駅前ホテルでは1泊2万円で、食費にも1〜2万円、観光費にも5000円〜1万円で、出費の多い日には5万円くらい使っていた日もあります。
私たちがこの旅で一番高いホテルに泊まったのはスイスのインターラーケンでの1泊約4万円で、更にホテル内で食事もしていたので結構な額になりました。スイスでは町中の一般的なデリでも巻き寿司1本が2000円で高めだったけど、どうしてもお米が食べたくて買ってしまいましたね。
旅も人生もバランスで、時に高級めなフレンチレストランで食事をする時もあれば、ベーカリーでクロワッサンをかじる時もあり、スロベニアの世界遺産スコッチャン洞窟やイギリスのトーマスランド(遊園地)に行くこともあれば、ただ公園に行くだけの日もあります。
そして、1日に1円も使わない日もありました。
「Wwoof」(ウーフ)はオーガニック農家と農家のお手伝いさんのマッチングサイトで、農家さん宅に滞在し1日数時間の農作業をお手伝いする代わりに、宿代も食事代もかからないりません。無料!です。(ウーフの登録に3000円くらいかかります。)
私たちも1週間フランスのオーガニック農家さん宅に泊りました。子供達と一緒に野菜の育て方を学び、雑草抜きや収穫のお手伝い、採れたて野菜での食事作りをしたりしました。お金を使おうにも農家さん宅は田舎なので使う場もありません。(笑)子供達は土いじりをして遊んでいました。
こちらはWwoof(ウーフ)フランスの公式サイトです。*Wwoof(ウーフ)に参加して農家でボランティアするには、行きたい国それぞれのWwoof(ウーフ)有料会員にならなければなりません。
他にも旅の間に出会った旅仲間の家族は、家主がホリデーで不在の家に代わりに住んで家を守る「housesitting」(ハウスシッティング)やホリデーにいった家主の代わりに飼い犬や動物などのお世話をする「petsitting」(ペットシッティング)をすることによって宿代を浮かしている人もいました。
こちらが、イギリスの友人が利用しているhousesitting(ハウスシッティング)とpetsitting(ペットシッティング)のサイト。
また、「workaway」(ワークアウェイ)は農家だけに限らず何かのお手伝いをして宿と食事の提供があるマッチングサイトで、「couchsurfing」(カウチサーフィング)は文化交流がしたい人がホストになって無料で旅人を自宅に泊めるマッチングサイトというのもあります。
こちらは、workaway(ワークアウェイ)のサイト。
これらの制度をバランスよく使って、町での観光と田舎での生活を送るというのも一つの手です。
具体的に数字を叩き出してみると、ぼんやりとしていたお金の不安(世界旅にはいくら必要なんだろう?)が吹き飛び、いくらあれば家族旅に出られるのかということが分かります。
貯金が100万円で「いっぱいある、これで安泰」と旅に出る人も知っていますし、貯金が1億あっても「全然足りない」と思い精神的に不安定な人もいます。
Housesitting(ハウスシッティング)やWwoof(ウーフ)などで、旅は安くしようと思えばいくらでも安くできるし、もちろん全部ファーストクラスで行こうっていう旅だってありです。要は自分の心と相談して、不安にならない額をまずは貯めることをオススメします。
私の場合は、ざっくりですが1年間で500万円くらいあれば大丈夫かな〜とお金の計算をしていました。
でも貯金を切り崩して世界旅で全部使っちゃって、帰国後の仕事のあてもない将来はとーーーっても不安。
ずっと会社員で雇われの身だった私は、会社(学校)を辞めたら無収入になるしかなく、貯金を崩して旅に出るしかない現実にぶち当たりました。
いやだーーー!!!旅の間も収入が欲しい!!!
お金について学んだことがないことに愕然としながら学ぶことを決意。リサーチをする中で当サイト(ALIVE)にも記事を書かれているこいけんさんの「年収3億円の美人女子大生メンターの教え」に出合い、そこからお金やビジネスについて学びはじめました。
こいけんさん主宰のビジネス講座に、弾丸オーストラリアから飛んで行ったこともあります。自己投資に2年間で200万円以上かけましたが、その中で旅の間でも収入を得る仕組みを作ることもでき、現在はオンラインでカウンセリングをしたり、オンライン講座を主催したり、記事を書いたりしています。
当サイト(ALIVE)の「経済的自由を手に入れた私と周りの経済的自由人の失敗事例と成功事例」は家族での世界旅を目指す人には超オススメの記事ですよ。
予防接種とかその他いろいろ
その他、私たちが準備したことには、子供がまだ幼かったので定期予防接種にきちんと連れて行くこと(訪れたい国によっては追加の予防接種を家族が受けること)や住んでいた家を引き払う荷物整理や掃除、車や家具の処分、運転免許証やパスポートの更新、銀行の住所変更や郵便局への郵便転送手続き、新たにクレジットカードを作るなど、細かい手続きがありました。
いろいろと忘れっぽいので、すべきことリスト(To do list)を作って夫と共有し、どの項目は夫担当でどれは妻担当なのかをはっきり明記して、忘れていたら声を掛け合うようにしていました。
もっとこんな準備をしておけば良かったと思うこと
ありますあります!笑
まずは、オーストラリアのクレジットカードを作っていなかったという痛手。海外旅行保険も付き、マイルも貯まるので日本のクレジットカードを数枚持っていますが、オーストラリアの銀行分はデビッドカードがあり旅にはこれでいいかな〜くらいに思っていたのが、旅に出る前の私達の主な収入源がオーストラリアドルだっただけに、直接オーストラリアドルから引き落とせるクレジットカードを作っていなかったのはもったいなかったなと思います。
なので、私達はオーストラリアドルを日本の銀行に送金して、クレジットカードで引き落としというややこしい手続きを踏まなければならなくなってしまいました。
持ってこなくてちょっと冷や冷やしているのは、子供達の予防接種の記録です。怪我をするなど万が一に備えて、予防接種のページだけコピーしておくべきだったなど感じています。そして、これらは英語訳を書いておきましょう。
あとは、家族に食物アレルギーや服用薬などあれば、英訳したアレルギー内容や薬の名前などを持参しておくと、とっさの時に慌てずに済みます。
準備していて良かったと思うこと
まずは旅の間も高低ありながらも収入を得られているので、ビジネスの準備をしておいて良かった!と心の底から思います。毎日、目に見えて現金がなくなっていく、ホテルや食事などお金を支払うので、貯金を切り崩すだけの旅だと、私の精神には良くなかったなと思っています。学びへの良い投資をしました。
また家族と24時間一緒にいるので、夫も私もたまに家族と離れて仕事をするのは良いバランスです。
あと、子供の教育用に教員の同僚から小学校で使われている娘の学年の資料をもらってきたのは、実際あまり使っていませんが、私が親として学んでおいて娘には日常生活に関連づけた学びをともにするのに役立っています。
物で言うと、爪切りや絆創膏、トゲ抜き用のピンセット、薬(子供達はあちらこちら触ってよく指にトゲが刺さったり、血を出します)、ノートと鉛筆、色鉛筆(日記やゲーム用)、トランプ(電車内のゲームや算数のゲームで使えます)小さいおもちゃ、スーツケース内の荷物の仕分けと洗濯に洗濯ネットなどは重宝しています。100均でほとんど揃います。
海外旅行保険は疾病治療を中心にしっかり入っておいた方が良いです。息子がフランスで肘を脱臼し、救急病院に駆け込んだときはいろんな面でヒヤヒヤしました。私自身も過去の旅行中に敗血症という生死をさまよう病気にかかったことがあるので、我が家では海外旅行保険はマストです。
あと、子連れ旅のサイドバッグには必ずお水と軽食の用意を忘れないようにしています。子供達、いつどこで「喉渇いた」「お腹すいた」「今欲しい」「待てない」となるか分かず、初めて降り立った国で通貨の両替を考えながら、物価も考えながら食料調達をするのは親が辛いです。
おわりに
ひとつやふたつじゃなくて、ジグソーパズルのように絡まり合ったピースが、今ちょうど完成して旅に出ています。子供の人生の可能性を存分に広げたい、選択肢を増やしてあげたいと願う親御さんが、この記事を読んで子供の教育の参考にしてもらえることがあれば、嬉しいです。そして、ぜひ家族で世界旅に出てみてくださいね!
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