つい最近の話ですが、昭和大学の研究チームによると「スマートフォンで読書すると読解力が落ちる」という研究結果を発表しました。
どうやらスマートフォンで読書をすると、紙の書籍を読んだ時と比べて、深い呼吸をする回数が減るみたいなんですね。
昭和大学の研究チームが言うに「スマートフォンで読書すると『深い呼吸の抑制』と『前頭前野の過活動』が相互作用して読解力の低下を引き起こしている可能性がある」らしいです。
自分はkindleと書籍を併用して読書しているのですが、なんだかんだ書籍の方に戻ってしまいます。
上記のような理由ではないんですが、なんか紙で読んでいる方が【読書感】がある、紙に触れて自分で1枚1枚ページをめくる、ということに実はとても大切な要素があるのかなと感じています。
後、電子書籍とかだと「あれ、この登場人物って誰だっけ?何してたっけ?」みたいな状況の時に非常に戻りづらく、該当箇所を探しづらい(笑)
そんなわけで今年は電子書籍もいいけどやっぱり書籍で本を買っていきたいなと。
今回紹介したいのは得に印象深かった5冊。
2021年に出たものですが、今年もまだまだ売れるだろうと感じたものを独断と偏見でご紹介します。
目次
戦国時代×ミステリー?完成度高すぎる作品【黒牢城】
作品紹介・あらすじ
本能寺の変より四年前、天正六年の冬。織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。動揺する人心を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の軍師・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか。戦と推理の果てに村重は、官兵衛は何を企む。デビュー20周年の到達点。『満願』『王とサーカス』の著者が挑む戦国×ミステリの新王道。
この作品のすごいところは、ただ歴史とミステリーを組み合わせたというインパクトだけではなく、しっかり歴史小説となっているところが本当にすごい。
史実ベースで進みながらも中身は本格ミステリーという重厚な味わいがある一冊です。
この作品で作者が初の時代ものに挑んだとは思えないくらいの完成度。直木賞受賞も納得です。日本史に詳しくないあなたも引き込まれてしまう名著、ぜひ!
単なるクライムノーベルではない、これが資本主義の本質か?【テスカトリポカ】
作品紹介・あらすじ
メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、対立組織との抗争の果てにメキシコから逃走し、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会った。二人は新たな臓器ビジネスを実現させるため日本へと向かう。川崎に生まれ育った天涯孤独の少年・土方コシモはバルミロと出会い、その才能を見出され、知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていく――。海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国〈アステカ〉の恐るべき神の影がちらつく。人間は暴力から逃れられるのか。心臓密売人の恐怖がやってくる。誰も見たことのない、圧倒的な悪夢と祝祭が、幕を開ける
非常に暴力的、グロテスクな表現がわんさか出てきますが、フィクションと思えないくらいリアリティがあります。作者は一体どれほどリサーチしたのだろうか…
麻薬カルテル系のドラマなどはいくつも観てきましたがあながちこの作品に描かれているようなことは遠からずこの現代でもありえるんだろうなとぞわっとしてしまいます。
人間の生々しい純粋な凶暴さ、残虐さ、目を背けたくなるようなものをまざまざと見せつけられる作品です。
驚くべきことに「こういう作品避けていた」という人のレビューが「最高傑作!」と言わしめているくらいなので、もはや僕がおすすめする必要もないのではないかと(笑)
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