月に10冊を目標に小説を嗜んでおります。
マイホームの本棚に並ぶ小説の割合は、7、8割はミステリが占めているといってもいいくらいミステリ好きです。
好きになったきっかけはもはや覚えてないのですが、たまたま読んだ一冊が叙述系トリックのもので、そこから色々と有名な作家さんの作品を読むようになりました。
そんなわけでそろそろ秋も近づいてきて読書の季節。
焼き芋でも片手に読書でもしてみようかしらと思う方におすすめしたいミステリ作家さんと、その中でもまずこれを読んでみてというものを紹介したいと思います。
※今年出た作品というわけではなく、今年自分が読んだものなので古いものも多いのであしからず!
目次
アビール ムカジー著:カルカッタの殺人
ロンドン生まれのインド系移民2世の作家さん。
次代英国ミステリ界の担い手とも言われています。
お勧めする「カルカッタの殺人」がデビュー作で、CWA賞ヒストリカル・ダガー賞を受賞しています。
自分はタイトルとこのレトロなブックカバーに惹かれてなんとなく買ってみたんですが、まあ面白いこと!
舞台は1919年のまだイギリス領時代のインド、カルカッタ。
そこで起きたイギリス人高級官僚の惨殺事件。
第一次世界大戦が終わって間もない時代、そのなんともいえない殺伐とした感やカルカッタの暑い雰囲気、読んでるだけでまるでそれを体験したかのように伝わってきます。
これは原作の力はもちろんですが、訳者さんの作品への理解度や技量が非常に良いからそれだけ素晴らしい日本語訳に仕上がってるんだなと感心してしまいました。
イギリス人警部とインド人部長刑事のバディのやりとりもニヤリとしながら読んでしまいますが、作者自信がインド系移民でありながら、イギリス、インド双方を俯瞰してどちら寄りにもならずに、シニカルに描いているところも魅力の一つです。
島田荘司著:奇想、天を動かす
昔から大ファンです。
島田荘司さんの有名なシリーズといえば、御手洗潔シリーズ(探偵が趣味の占星術師のシリーズ)と、この吉敷竹史シリーズ(警視庁捜査一課の主任刑事が主人公)。
自分が御手洗シリーズばかり読んでいたのですが、吉敷シリーズを読んでみようとまず手にしたのが「奇想、天を動かす」。
多くの人がおすすめしていた理由がよくわかります。圧巻でございました。
消費税3%導入で世間が騒がれていた時代に起きたある殺人事件が、消費税がらみの殺人かと思いきや背景を探っていくと思うも寄らない壮絶な犯人の過去が解き明かされていきます。
江戸川乱歩風の怪しげで不気味、おぞましい冒頭から始まり、これがどう物語に関連していくのか読み進めていくと、奇妙奇天烈に伏線が改修されていき、全く想像していなかったエンディングにたどり着きます。
シリーズものですが、いきなりこの作品から読んでも間違いなく満足できる一冊です。
折原一著:異人たちの館
折原さんの作品といえば、「〜者シリーズ」が有名。
ですが、この「異人たちの館」は作者本人が、「自分の持っているものを全てぶち込んでいるので、読者に自信を持ってお勧めできる」と言うくらいの作品。
「もう遅い時間だし、続きは明日に…」と思ってもついつい気になって読んでしまう、そんな作品がこれです。
ネタバレ的なところは伏せますが、とにかく二転三転どころではない、転がされまくりの結末が待っています。読んだ記憶をなくしてもう一回新鮮に読みたいと思える一冊です。
もうすでに3度も文庫化されている位の作品。
一家に一冊のレベル。言いすぎか。
我孫子 武丸著:殺戮にいたる病
この方の作品はまだこの一冊しか読んでないのですが、
まーーーーーーーーーーーーーー気持ち悪い!!(笑)
かなり描写がグロいので、そういうのが苦手な人は読んではいけません。
ミステリ好きの割にあまり犯人が誰かというのを予測しすぎないように読むことが多いのですが、この作品だけはなんだか叙述トリックに気づいてしまいました。
けっこうわかりやすくヒントがちりばめられているからかもしれません。
もう一度言いますが、最高に気持ち悪いです。
サイコキラー系なので耐えられる方は読んでみましょう(笑)
ジェフリー・ディーヴァー著:スリーピング・ドール
結構前になりますが。デンゼル・ワシントンとアンジェリーナ・ジョリーが出演した「ボーン・コレクター」という映画をご存知でしょうか?
その作品のスピンアウトシリーズで、主人公、キャサリン・ダンスはキネシクス(日本語では動作心理学と言うようですが、ざっくり言うと人間の表情や身振りから嘘をついていないか人間の心理を明らかにする学問)の使い手で、尋問でその力を発揮します。
シリーズの1作目の紹介ですが、読み始めてからジェットコースターのようなスピード感で読めるのがとても良いです。
自分は勢い余って今出ているシリーズ全巻読破しました。
頭のキレる凶悪な犯罪者との駆け引きが非常に面白く、本作のシリーズよりも好きです。
もちろん、こちらから読むのも良いですが、「ボーン・コレクター」も併せて読むとよいでしょう。
最後に
ネタバレをさけてつらつらとご紹介してきましたが、
ミステリ好きの自分にとって今楽しみにしているのが、
会員制読書クラブ『メフィストリーダーズクラブ』。
ミステリと言うジャンルはあまり日本ではそこまで人気が出づらいのか(笑)
間口を狭くするんじゃねえとか賛否両論ありますが、この会員制のサービスは自分はいいなと思います。
有名作家さんの創作秘話なども気になりますし、マニアックなコンテンツも盛り沢山なようでわくわくします。
また下半期、お勧めが出てきたら紹介したいと思います!
ではまた次回!
コメント