私たちは毎日、何かしらの決断をして生きています。
今日のランチどこで食べようか?
白のワンピースにしようか、やっぱり花柄?
など、大なり小なり決断することが山のようにあります。
内閣府が青少年に行った意識調査(H30年度サンプル約1000人)の中で、「自分の決断力や意思力に誇りを持っているか」の問いに、肯定的に答えた割合は約4割でした。約6割の人が、自分の決断力や意思力に自信が持てないという結果でした。
日々、決断を求められる場面に出くわすのに、決断を下すたびにその決断に誇りをもてず自信がない。自信がないから、決断するまでに時間もかかる・・・。
例えば、ひとつの決断にかかる時間が3分だとして、1日に10個の決断を迫られた場合、毎日30分迷っていることになります。1週間だと210分、1か月だと840分、そして1年だと10920分=182時間=7.5日!!!!ひとつの事柄に3分迷っていると、1年間では1週間も朝から晩まで寝ずに迷っていることになってしまいます。
と、感じた私は、
レストランでの注文はメニューをみた瞬間にする!
など自分なりに目標を立てて決断力を磨こうと努めてきました。
そんな中知り合った小林なおきさん(通称おそとまん)が昨年脱サラして今年3月に茨城県にマウンテンバイクパークを作ったと聞き、
脱サラするのに決断力ってめっちゃいるぞっ!決断力ってどうやったらつくのかお話し聞きたい!
とインタビューを申し込み、快く引き受けていただきました。
この記事では、小林なおきさんの体験を通して
・決断できない理由
・決断力をつける方法
を、解説していきます。
この記事を読んだ読者さんの決断力が上がって人生が豊かになったらいいな^^
目次
決断できない理由ってなに?
あらためまして、今回のインタビューをさせていただく方は、小林なおきさんです。ニックネームは、おそとまん。ずっと外で遊んでいるからおそとまんと呼ばれているそうです。
おそとまんは今年3月、「かすみがうらドッグ&マウンテンバイクパーク」をオープンし、マウンテンバイクのスクールを運営しています。
茨城県かすみがうら市にお住まいのおそとまんに九州在住かみが、オンラインインタビューをしました。(こんな感じです↓。)
今日はおそとまんが脱サラして「かすみがうらドッグ&マウンテンバイクパーク」をオープンした体験から、どうしたら決断力がつくかを中心にお話を伺えたらと思っています。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
かみ:早速なんですが、脱サラってすんなり決まったんですか?
おそとまん:いやいや、いろんなことがありましたね。
かみ:いろいろあったんですね。では、はじめに脱サラしたいと思ったのにすぐに踏み出せなかった「決断できなかった理由」って、今思い返したら何があったと思いますか。
おそとまん:まずは、単純に怖かった、かな。やっぱりそれまで何十万円とひと月に入ってきていたお金がなくなる恐怖は大きかったです。収入がないと生活ができなくなるし、家族も養っていくこともできないから。
おそとまん:あとは、親の存在が大きかったなぁ。大学に入って勉強して、それを生かした仕事をするっていう親の背中を見て育ったのが大きくて。何不自由ない暮らしをさせてもらって、子どもの頃から良い子にって育てられてきたのがあったから、親に相談したときに
「馬鹿みたいなこと言ってんじゃない」
って言われたので、しばらくは決断できませんでした・・・。
人を気にして決断できない時は、言い訳の所在を探している時
決断しづらい状況があっても、おそとまんは脱サラという決断をしましたよね。決断しなきゃいけなくなるような大きな出来事があったんですか?
映画みたいな奇跡があって、決断できたわけじゃないよ。
おそとまん:サラリーマン辞めた時は、積み重なってたものが揃ったっていう感じかな。辞めるチャンスが来ているなとは感じていたんだけれど、絶対にこれがやりたいというものがあったわけでもなくて。
で、脱サラのことを相談したら、全員に反対されました。妻にも親にも友人にも
我慢するのが大人だろ。
お前、バカだろ!
って、言われてました。今思えば、誰かに許可して欲しかったんだろうなって、思う。
「親がいいよって言ってくれたら決心できる」
「同僚が言ったら・・・」
っていう、言い訳の所在をずっと探していた。結局、会社を辞める決断をした時は、全部を自分が引き受ける覚悟をしたっていう感じかな。
めっちゃ深い!
自分の人生を全部引き受ける覚悟を決めた3つのワーク
その覚悟ができるまでに、どんなことをしたんですか?
アドラー心理学とかジェームススキナーとかいろいろ気になる講座を受けて、その時に出てきたワークを自分も一つ一つやってみた。
どんなワークですか?
特に印象に残っているのは3つあって。
心のブレーキの外し方
まずは、自分の心のブレーキを外すワークをして、失敗しないようにとか恥をかかないようにっていう自分の思い込みを外す努力をした!
どうやったら心のブレーキって外れるんでしょうか?
まずは、「自分の心のべき」は何かを見つけて、自分が何に対してブレーキを持っているのか知ってその枠を壊す。
おそとまん:例えば、ご飯粒を残した人がいてその人にイライラしたら、あなたの中に「ご飯は全て残さず食べるべきだ」という価値観があるのが分かる。
で、その「べき」がなければ、イライラしない。
かみ:親にどう育てられたかが関わってきますね。
おそとまん:そうそう、小さい頃から言われ続けたことが「べき」になっていく。だから、いらっとする場面がある度にその裏側にある「べき」は何?と探していった。
僕の中には
・高校、大学で勉強したことを生かすべき
・学校の勉強が上位にあって、他のは下位
・親のいう事を聞くべき
・周りのみんながやってる事をやるべき
・周囲のみんなより優れているべき
・より効率的に、より正しい方法で、無駄なく有効にするべき
こんなに、余計なマインドセットがあったのですよ。
もはや洗脳なんですかね。
自分の持ってるブレーキが外れたら、人生が動き出しそうです!
恥をかいてもいい、失敗をしてもいいって思ったら、行動がしやすくなった。
あなたの才能の見つけ方
2つ目は、自分の才能の見つけ方のワークで、これも印象に残っている。
どうやって才能を見つけたらいいのでしょう?
3つの質問に答えます。
おそとまん:ポイントはポジティブでもネガティブでもいいから、自分の感情が動くことを書き留めることが大切。
僕の場合だと、自分の感情が動く夢中になったものを書き出したら、小学生のドッヂボールから始まり中高ではバスケットボールなどで、大学でバスフィッシングやバイクツーリング、社会人になってもバスボートや船外機の整備とかキャンプ、焚き火、マウンテンバイク・・・
僕は一度も勉強に夢中になってなくて(笑)
小学生から一貫して、全部「遊ぶこと」でした。だから、僕の人生は「遊び」とか「アクティビティ」に関係することがポイントになってくるんじゃないかと感じた。
自分の中のワクワクを見つける
3つ目のワークは、1日休みをとって子どもの頃好きだった場所に行って、丸1日かけてします。僕も1日かけて、同じようにしました。
おそとまん:携帯の電源も切って、自分自身と向き合う日にして、その中で思いついたことは全部書き出していく。
僕の場合はやっぱり「遊ぶこと」だったんだけど。
この3つのワークだけで、脱サラの決断ができたわけじゃないけど、印象に残っているのは間違いない。
脱サラを決断できたきっかけ
いろんな講座に出たり、その中で知ったワークをしたりいろいろやったんだけど、今振り返ると僕の場合は脱サラを決断したきっかけって2つありましたね。
ぜひ、教えてください。
おそとまん:一つは、5年前くらいに会社員をしていた時、鬱状態になって全てが嫌になったこと。
かみ:鬱ですか・・・。今のおそとまんからは想像できないですね。
おそとまん:死が頭をよぎったこともあるし、カウンセリングも受けてた。会社員時代って
「置かれた場所で咲きなさい」
「今いる場所で頑張りなさい」
っていうマインドの本ばっかり読んでて、飛び出してはいけないのかなと思い込んでいた。
それで、国家試験取ったり仕事でチャレンジしたりして、仕事への満足感とか達成感はあったけど、本当に心からの達成感じゃないというか、自分を誤魔化している感じがしてた。
頭良さそうなことやるっていうか、子どもの頃からの呪縛かな・・・
かみ:あ、なんか心に刺さります。
おそとまん:この頃、さっき話してたワークをちょうどやっている時で、鬱から抜け出そうとしててその道を探していたけど、簡単には見つからなくて。
でも、いろいろワーク続けていたら遊ぶことが好きって分かった。
体を動かして遊ぶことが好きで、頭はバカなんかもって。
かみ:いや、そういうわけでは・・・笑
おそとまん:体を使って外で遊んで、みんなと笑って・・・自分の才能はここにあるかもって思った。
そんな時に、前から興味あったマウンテンバイクをはじめて、高橋大喜さんっていうマウンテンバイクの第一人者で素晴らしい先生に教わり、練習したら短時間ですごく上手になって。
いろいろ講座に出て学ぶ中で「人ができないこと、人よりも短い時間でできるようになることは才能」って聞いて、やっぱり自分は遊ぶこと、体を動かすことに才能があるんじゃないかなって思い始めた。
平日は仕事して、週末は自転車楽しんで仲間ができて・・・で、心が戻ってきた!!!鬱から抜け出せたのは、マウンテンバイクとその仲間の力、自然の力、妻の力なのです。
脱サラを決断したきっかけは2つあるんですよね。もう一つはなんですか?
もう一つは、2019年に自転車乗ってて頭をぶつけて頭蓋骨と脳の間で出血してしまい手術したこと。
えっ、サラッとめっちゃ大変なこと話されていませんか。頭蓋骨と脳の間で出血???
おそとまん:そう、人生終わったと思って泣いたよ。医者に
「もうあなたは2度と自転車に乗れません」
「振動のあるものはダメです!」
って言われて、泣いた。泣いて泣いて、すっごい泣いて悲しかった。
かみ:手術とか命とかで泣くんじゃなくて、自転車に乗れないと言われて泣いたんですか。
おそとまん:そうそう、医者に「自転車に2度と乗れません」って言われて、人生終わったと思って泣いた。そこで自分は自転車がそんなに好きなのかな、って思った。
かみ:今、自転車乗っていますよね?もう大丈夫なんですか?
おそとまん:それが、セカンドオピニオンで病院を変えてみたら、
手術したら、バリバリやっていいよ
って、言われて!
かみ:笑
おそとまん:人生が動いた瞬間だった。自転車乗れないんなら、なんのために生きてるんだとか考えていたんだけど、自転車に乗っていいと言われて、それはそれは晴れ晴れした気持ちで!
このまま死んでいたらどうなっていたんだろう・・・って考えたら、やっぱり好きなことをやってみないと、って。
かみ:一度は乗れないと言われて閉ざされた道が開いたんですね!
おそとまん:医者に「全然、いいですよ!」って言われたら、「やってみたい、やってみよう!」って思った。
決断したら人生が動き始めた
そういえば前に土地を持っている人から、ここで自転車走らせてみたらどうかなって言われていたことを思い出して。
そんなチャンスが!
おそとまん:前に言ってもらっていたのに、その時はチャンスとも気がつかず・・・。この時になって、マウンテンバイクのコースを作るチャンスが降ってきたと思った。
東京ドームより広い場所を好きにしていいよ!って。
かみ:ひろーい!
おそとまん:当時は会社員でいることが当たり前だったけど、いろいろワークをして自分は遊びが好きっていうことに気づいたから、「遊び」を仕事にしてみたいって思い始めて、もうやってみるしかないかなって。
それで、自分が今持っているもの(才能・力)を整理して
・自転車上手
・コースも作れる
・釣りもキャンプも好き
っていうことを自覚して、「やってみたいから、やってみよう」って思って、親の承認とか奥さんに相談もせずに会社を辞めた。
かみ:反応は・・・・???
おそとまん:親と大喧嘩!
「どういう事業をやりたいのか説明しろ!」
「お前はバカか」
って。でも、やるって自分で決めた。喧嘩してもいいから、自分の人生やりたいことをやる!今までは誰かに背中を押して貰いたかった。でも、それを諦めて、自分で決断した。
かみ:奥さんは???
おそとまん:前からずっと話していたからか、良いとも言わないしダメとも言わなかった。
そこで考えてたのは、例えば奥さんが「離婚する!」っていうから、自分のやりたいことをやらないのか、また人のせいにするのか?って。
やりたいことは絶対やろうって思ったし、もう人のせいにしたくなかったし、人のせいにするのもやめて自分の人生の責任を自分で引き受けようって。もう依存するの辞めるって思った。
決断したらね、全部変わった!
おそとまん:退職金でお金は入ってくるし、人間関係も変わるし、本当に全部変わった。想定外だったけど、喧嘩した親が「お前なんか知るか」って言われてたのに、ある日突然
「お前が好きなことするんだったら、応援する」
って連絡があった。奥さんは初めは諦めてた感じがあったけど
「あなた、大丈夫だね。あなたならできる。私、なんかそう思う。」
「私、なんか自信ある。だから、好きにやって。私、信じてるから。」
「私も働いてるし、最悪大丈夫だよ。」
って言ってくれて。会社を辞めたら当時の会社の上司にも「お前が羨ましい・・・」って、言われたり。
決断力をつける方法
おそとまんが自分の人生を引き受けて決断したことにも、周りの反応にもなんか涙が出てきます・・・。おそとまんは大きな決断をしたけれど、世の中には決断したいのにできない人もいっぱいいますよね。決断力をつけるためにしたことやできることってありますか?
決めること。とにかく自分で決めることが大切。
おそとまん:自分が心を病んでカウンセラーに通っていた時に、
「自分を認めてあげよう」
「自己肯定感をあげよう」
って言われて、とにかく自分を褒めることをやってた。
おそとまん:トイレ行ったら、1人でトイレ行けるのすごい!って褒めて、お風呂入ったらお風呂入れて天才!って真剣に自分を褒めた。他にも、買い物行けた!→素敵!とか、資格とれた→さすが!とか。
嫌なことに焦点を合わせない
できたことに焦点を合わせる
ってことをしてたら、それまで自己肯定感って低かったんだけど心が満たされてきて、自分の内側に視線が向いていたのが、自然と外に行くようになった。
まずは、自分の心の穴を埋めてあげることが大切で、これができたら他人に認めてもらいたいっていう承認欲求が少なくなって、自分の責任で物事を考えて自分の人生を他人に委ねなくなる。
これからの目標は?
最後に、これからの目標を聞かせてください。
この「かすみがうらドッグ&マウンテンバイクパーク」を生きる力が湧いてくるような場所にしたい!
おそとまん:茨城県って、東京から近いのに山があって湖があって、町もあって、すごいいい場所で。
自分が自然や野外活動に元気をもらったみたいに、疲れた人たちが喜んでくれる場所にもっとしていきたい!
ディズニーランドみたいに、入った瞬間に大人も子どもも笑顔になれるそんな空間やそんな世界を作っていきたいと思っています!
最後に「決断力」をつけたい人に一言どうぞ。
決断して、それを実行に移したら人生変わる!
インタビューを終えて感じた「決断力」について
今回は、かすみがうらドッグ&マウンテンバイクパークのインストラクターであり、コースビルダーの小林なおきさん(おそとまん)にインタビューし、決断力というテーマで話を伺いました。
漠然とした不安やお金がなくなる恐怖を乗り越え、親という高い壁を乗り越えて人生の大きな決断をしたおそとまん。
「人生の時間=命」だから、迷っている時間も貴重な命を使っています。だらだら決められずにいたら、なんだかもったいないですよね。
決断力を鍛えるには、まずは自分の決断に自信を持てる自己肯定感を高めるのが大切で、1日1万回の自分褒めがそのためには有効だとおそとまんから学びました。
この記事を読んで、あなたが決断できない理由を知り、決断力をつけるヒントが見つかることを願っています。
かすみがうらドッグ&マウンテンバイクパークで一緒にキャンプしたい人いませんか?
おそとまんに会いたい人は、こちらに大集合ー!おそとまんとかすみがうらドッグ&マウンテンバイクパークのウェブサイトはこちら。
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