人生にワクワクを

ポジティブ思考を探し続けた結果、出会った等身大の自分との付き合い方

あなたはポジティブ?!ネガティブ?!『ポジティブ診断』で自分の傾向を知ろう!

とある職場に同期入社5年目のAさんとBさんがいます。二人で新しいプロジェクトを任されることになりました。二人の今までの経験を出し合い、時間をかけて作ったプレゼンの資料でしたが上司に「やり直し」とダメ出しされてしまいます。かなり自信があったのですが…

さあ、その時にあなたはどう思いますか。

 
A子さん

「どうせ自分になんてできない」「どうせ自分の能力ではまだ無理だ」

Bくん

「ではどこを改善すればいいのだろうか」「次は完璧に仕上げたい」

A子さんの気持ちがわかるー、という方はネガティブ。どちらかといえばBくんの方かな、という方はポジティブです。

と、そんなことは言われなくてもわかりますよね。笑

一旦はA子さんの気持ちになってもやもやしてしまうけれど、時間がたつにつれその気持ちを起爆剤にして一気に気持ちをやる気モードに転換する「A子さん+Bくん」パターンの方もいるでしょう。

または最初はBくんモードで突き進むも「やっぱり自分には無理かも…」と途方に暮れてはまたやる気が湧いてくるような「Bくん時々A子さん」のパターンもあります。つまり、ポジティブもネガティブもどちらも持っていてもおかしくはないし、変化しやすいものなのです。

まゆ

こんなときあなたはどんな風に思いがちなのか、客観的に振り返ってみましょう。

自分の気持ちの在り方って結構無意識に行われていることが多く、一旦立ち止まって自分のなりふりを振り返ってみることも新しい発見があるものです。他の人の思考パターンを聞いてみるのも面白いかもしれません。

以前の私は、失敗したり注意されたりするたびに「どうせ自分にはできない」「やっぱりダメだ」と自分を卑下してしまうタイプ。その結果、そもそもポジティブもネガティブもどちらも自分の中にある感情ならば、ポジティブを多くすればいいのでは?と考えたのです。

以前のまゆ

ポジティブ多めなら、課題や問題に対して前進する力になるし、ピンチをチャンスと捉えて気持ちを切り替える力があればどんな困難も乗り越えられるし、そうなれば人生順風満帆!勝ち組!大成功なはず…

そう思い込んだ私はポジティブ多め、なんならポジティブ100%になりたい!と息巻いていました。

ここでは私がネガティブを撲滅しポジティブ増幅のため試行錯誤していた中で、自分自身の等身大な気持ちとの付き合い方がポジティブ思考には何よりも大切だということに気がついたので、ぜひ「どうせ」なんて言わずに読んでみてくださいね。

まゆ

読み終わるまで「どうせ」はNGワードですよ

ポジティブ思考とはなにか

ではまず、ポジティブ思考とネガティブ思考とは一体それぞれどんな考え方なのか整理してみましょう。

ポジティブ思考とは
・前向きに物事を考えて果敢にチャレンジする
・解決に向けてどうしたらいいかを考え、突き進む
・楽観的で明るく、落ち込んでも切り替えが早い
 
ネガティブ思考とは
・クヨクヨといつまでも思い悩み気持ちの切り替えができない
・悲観的に物事を捉えて次の行動に移せない
・消極的で自己嫌悪になる、「どうせ自分にはできない」と言い訳が多い

断然ポジティブ思考がいいに決まっている!ネガティブ思考は救いようがない!とにかくポジティブ100%になるにはどうしたらいいの!なんて焦る声が聞こえてきそうですが、とりあえず落ち着いてください。

まゆ

昔の私もネガティブな自分に嫌気がさして答えを探して焦っていました

次は二つの思考が起こす行動の違いについてみていきましょう。

ポジティブ思考とネガティブ思考の考え方の違いからくる行動の違い

それぞれの思考パターンからくる行動の違いを整理してみます。

ポジティブ思考からの行動
・事実を前向きに捉えるため、現状を冷静に把握し次の一手が打てる
・解決するにはどうしたらいいかに焦点を合わせているので失敗も一つの通過点として捉え、落ち込みすぎずに前進し続けることができる
・どんな経験も自分の糧であるという認識であり、逆境にもめげない
 
ネガティブ思考からの行動
・失敗にいつまでも引きずられ気持ちが不安定になり次に進めない
・できないことを自分や周りのせいにして冷静に事実を見ることができず解決に向かえない
・「どうせうまくいかない」という考えなので常に色々な言い訳を用意していて本気になりきれない

さて、二つの思考と行動の違いをみた時にあなたが思ったことはなんだったでしょうか。
そしていつもの自分の行動パターンを振り返ってみてどうだったでしょうか。

ネガティブ要素が強かった方は特によりポジティブに心酔し、ネガティブな自分を排斥しようとしたのではないでしょうか。ポジティブな知り合いを思い出して「やっぱりあいつはすごいな」「どうせ自分にはできっこない」と自己嫌悪に陥っていませんか。

以前の私はまさしくそうで、ネガティブに考えてしまう自分を悪だと捉えていました。この悪さえ消えてくれればなんて幸せなんだろう、ネガティブな自分がいるからいつまでたってもクヨクヨ悩んで前へ進めないのだ…と思っていました。まさにネガティブな自分を否定しては自己嫌悪に陥るという悪循環のループにはまっていたのです。

まゆ

ネガティブな行動はまさに独りよがりで、ポジティブ思考のような「次に繋げていく」なんて夢のまた夢でしたね…

ポジティブとネガティブの結果に対する解釈の違い

それぞれの思考パターンから起こした行動にはそれぞれ結果がついてきます。結果は、ポジティブ思考だからといって常に成功するものでもなく、ネガティブ思考だからといっていつも失敗するものでもありません。結果は自分たちではどうしようもない部分でもあります。過程は努力できても、結果はなかなか自分ではコントロールできないもの。

その結果に対する解釈が、ポジティブとネガティブの思考パターンで変わってきます。特に成功よりも失敗したときにどのように捉えるのか、失敗をどのように解釈するのか。そしてそれを落ち込む材料として捉えるのか経験として捉えるのかでその後が違ってきます。

何よりポジティブな人も『失敗』して『落ち込み』ます。(時々全く落ち込まない人もいますが)つまりポジティブな人にもネガティブな人にも降りかかっている事実は同じ。どちらの思考も同じように失敗し、同じように落ち込む瞬間があるのです。

違いはどこかというと、ポジティブな人はたとえ失敗したとしてもそれを次に活かしていこう、というように視点をすでに次へとシフトしているところです。抗えない結果という事実をどのように解釈して自分の中に取り込んでいるかがポジティブとネガティブのターニングポイントです。

まゆ

結局のところ行動もネガティブ、結果の解釈もネガティブなこの自分を今すぐ打破してポジティブ100%になるにはどうしたら…

ポジティブ思考を追い求めるあまり見落としてしまいがちなもの

「ポジティブ思考」を獲得さえすれば絶対的な幸せが手に入るのだと信じて疑わなかった私ですが、あるとき『ホメオスタシス』という言葉に出合います。

ホメオスタシスとは何かというと

生物体または生物システムが間断なく外的および内的環境の変化を受けながらも、個体またはシステムとしての秩序を安定した状態に保つ働きをいう。恒常性ともよぶ。フランスのC・ベルナールが、体液の状態は環境が変化しても一定に保たれるような調節作用があるという考えを発表したが、アメリカのキャノンWalter B. Cannon(1871―1945)はこの考えを発展させ、恒温動物における体温の恒常性、生物の防衛手段にも当てはめた。
〜コトバンクより引用〜

例えば、毎日の体温を一定に保とうとする働きがあるから私たちの身体は安定している、という事。今の現状を一定に維持しようとする働きのことです。

これは肉体だけではなく心理学的な面においても同じことが言えます。もやもやと悩んでいる状態がその人にとって通常運転だとすると、ホメオスタシスの働きで「もやもや悩み続ける」ことが今まで過ごしてきて慣れている安心安全な世界である、と認識してしまうのです。

ホメオスタシス自体に善悪を判断する機能はないので、「どうせダメなんだ」と悲観するネガティブ思考ですら「安心できる場所(コンフォートゾーン)」と認識し、それを必死に維持しようとしてくれるある意味素直で健気な機能…そのコンフォートゾーンとは、今までの経験から「あなたがそう解釈した」「思い込み」から生まれたものです。

そのホメオスタシスを「もやもやと悩みがち」という現状から「失敗を糧に次どうするかを考える」にスライドさせることができたら、人生ポジティブ思考で行動していくことができるんじゃないかと期待してしまいますよね。

そこで「もやもやと悩みがち」な状況をなんとかなくそうとするのですが、それは今の自分自身を否定していることになります。まさにそれこそがネガティブ思考…皮肉なことに、ポジティブ思考を追い求めるあまりに自分自身を否定してしまうというネガティブな自分が発動してしまうのです。

ポジティブを追えばネガティブになる…やっぱりネガティブのまま…変われないのか…と、「どうせ」と口走りそうになったあなたにホメオスタシスとの付き合い方をお伝えしましょう。

まゆ

ところで、痩せたいけれどなかなか痩せないのもホメオスタシスがばっちり機能していたからなのか…

ポジティブ思考になりたいときに必要な「等身大の自分」の気持ち

 

ホメオスタシスはあなたを守ってくれているものですが、あなたが今現在のコンフォートゾーンから脱出して新しいコンフォートゾーンに移行したい場合に、まずしなければいけないことがあります。

それは今の等身大の自分の気持ちを知ることです。

例えば、今の時点で「もやもや悩みがち」な自分になりがちなのであれば、まずその自分を「知る」こと。「こんな自分なんて嫌だな」「また悩んじゃってるな」「どうせ変わらないんだし」という、むしろ掘り起こしたくないようなネガティブな自分を直視します。

今のネガティブ思考に陥っている自分自身の「等身大の気持ち」をありのままに受け止め、自分の今ある現状をしっかり把握し、自分はどんな風に感じているのかを知る必要があります。
その今のネガティブな感情はただ単に、コンフォートゾーンの中の自分がネガティブに反射的に物事に反応していただけなのです。それも、あなたを守るために。

このホメオスタシスの構造を知ってしまえば

問題→今までと同じネガティブ解釈で反応→今までと同じ体験→今までと同じ結果→自己不信→今までと同じネガティブ試行を繰り返す

を選ぶのか

問題→今までのネガティブ解釈を一旦落ち着かせて→本当は「どう在りたいか」で反応→新しい体験→新しい結果→自己信頼→自分の思うポジティブ思考に移行していく

を選ぶのか、あとはあなたの心の意識づけ次第ということになります。つまり、新しいコンフォートゾーンに完全に移行するまではどうしても今までのネガティブ思考だった等身大の自分自身を認めてあげて、そこで否定するのではなく一旦落ち着かせてあげる必要があるのです。

否定してしまい、そこで「まだネガティブ思考が出てきてる…」なんて感情になって落ち込んでしまったら、それこそあなたのホメオスタシスが完璧に機能している証拠ですから。

まゆ

それにしてもホメオスタシスはなかなか優秀な機能だから、次のコンフォートゾーンに移行するまでひたすら「どう在りたいか」を問い続ける必要があるわ…

「等身大の自分」の気持ちとの付き合い方

ホメオスタシスの役割と機能を知る
→そして「等身大の自分」の今の思いを否定することなく認めてあげる
→次に「今、どう在りたいのか」を自分に聞いてあげる

この流れをネガティブな自分が発動しない時にも考えるようになったら、結果として見えてくる世界は全く違ったものになっていきます。つまり、あなたがどう思うかで現実が変わりだすということです。

自分自身の思考の癖を発見するために、与えられた質問に答えるのも一つの手。

この本はノート形式になっており、中には多くの質問が用意されています。今まであなたが考えたことがないようなものから普段悩みつつも答えを先送りしているものなど、実に自分自身をさらけ出してくれるにはうってつけの本となっています。

著者は文中でこう言っています。

『人生のあり方は状況や事情ではなく、自分との対話の仕方によって決まってくる』〜Do the workより引用

等身大の自分といかに向き合い話し合うのかがこれからを決めるのです。過去は変えられませんし変える必要もありません。あなた自身は「過去」でもありません。これからをどうしていくか、どうしていきたいか、をあなたが作り出すのです。

まゆ

まず最初の質問の「弱み」よりも中盤の「これからどうしていくか」の方が書きにくかった…どっと疲れました…

真のポジティブ思考になって人生をクリエイトする

ネガティブに考えることを否定したまポジティブ思考であろうとすると、どうしてもどこかでネガティブな自分を無視したままになってしまいます。その歪みは心の中に引っかかり、最終的に「どうせ」「やっぱりダメだった」の発動スイッチになりかねません。

ポジティブに考えさえすればいいという間違ったポジティブ思考はまるで「自分の感情は自分の思い通りになるのだ」という誤解を生んでしまいます。今までネガティブな感情を自分でコントロールさえできていなかったくせに。

また、ポジティブであろうとするあまりに極端に楽観的になったり、必要な振り返りや反省を蔑ろにもしがちです。失敗して落ち込むこと自体にネガティブだという解釈をしてしまい、反省もせずに突き進む…これはポジティブなんかではなく単なる時間の無駄でしょう。

本当のポジティブとは自分自身の中にある等身大の気持ち(ネガティブも含む)を丁寧に紐解き、どんな気持ちも否定することなく受け止めて、どうしたいかを考えることです。そうすれば自ずと人生は自分の思考に沿ってクリエイトできるのです。

 

まゆ

ネガティブな自分も自分なんだ。知りたくなかったけどこれも私…

ポジティブ思考風だった以前の私

私は日常的にそんなに自分自身にネガティブさを感じていなかったのですが、いざ失敗したり注意されたりすると途端に落ち込んで再浮上できないことが多々ありました。

20代の頃に勤めていたケーキ屋では、ポジティブでいなければならない、ポジティブ至上主義、とも言える思い込みを持っていたために明らかにキャパオーバーな注文を受注してしまい(受注することこそがポジティブ思考であると思ってしまっていたので)、案の定上司にきつく注意を受けてしまったことがありました。

その後一気にネガティブモードに転落してしまい、「やっぱりできない」「どうせ無理」と自分を攻め続けます。ただ、納期は刻一刻と迫ってきます。結局上司や他のスタッフも巻き込んでなんとか納品に漕ぎつけたものの私の中に残ったものは「どうしてこんなことになってしまったんだろう」「挑戦しなきゃよかった」という負の感情でした。

ポジティブ(だと自分では思っていた)から始めたはずなのに、残ったものはネガティブすぎる悲しい感情…当時の私はその出来事をうまく自分に落とし込めないまま、ただただ自信や自分への信頼が目減りしていくのを感じていました。そして徐々にそれが「新しいことに挑戦したら失敗する」という私の解釈になっていったのです。

まゆ

まるで直角に落ちていくジェットコースターのような感情の揺れでした…そして落ちっぱなし…

もしそのケーキ屋での失敗を「どうすればよかったのだろう」「次に受注を受けれるようになるには今私には何が必要なのだろう」「どれくらいの受注なら、今受けれるのだろう」というふうに考え方を転換できていたなら失敗を糧にできていたでしょう。

また、糧にできていたなら「新しいことに挑戦したら失敗する」というホメオスタシスも私の中に生まれることはなかったはずです。ホメオスタシスは自分の記憶を生きていく中で生まれる、自分を守るための反射なのですから。

その時に、どのように考え行動するかがその後の私の現実を作り出してきたのです。ポジティブとは一体どこにあるんだろう、と探し始めるきっかけでもありました。

まゆ

今はホメオスタシスの機能を知って、少しは自分を俯瞰して見れるようになってきました

まとめ

自分の心の動きを客観的に見ることって、なかなか意識しないとできません。つまりそれは日々のあらゆる場面でおこることに対して自分の反応が「ホメオスタシス」による反射によって行われている、ということです。

もちろんホメオスタシスはとても有能なボディガードでもあります。今まで安全だと思っていた場所、コンフォートゾーンをどんな状況でもあなたにすかさず用意し、維持しようとしてくれるのですから。

もしあなたが今のコンフォートゾーンから飛び出したいときや、ネガティブな自分をポジティブ思考できる自分にシフトしていきたいときにはぜひホメオスタシスの働きを思い出してみてください。一旦立ち止まり、自分自身の中にある「等身大の自分」の気持ちに問いかけてみましょう。

等身大の自分と一緒に人生をポジティブにクリエイトしていこうとしているあなたには、もう「どうせ」ではなく「自分はどう在りたいのかという問いがピッタリです。

ふと空を眺めてる人

まゆ

歳を重ねるにつれいい意味で自分に折り合いをつけれるようになってだいぶ楽になりましたが、若かりし頃は人間関係に悩んで悶々とした日々を送ったことから見せかけのポジティブではなく本物のポジティブを探し続けて、今。 あんなに「人」が苦手だったのに、今は「人」が大好きで「人」に助けられている毎日を実感しています。

この人が書いた記事をもっと読む
ALIVE! 人生を楽しむためのポータルメディア