古くから伝わる日本のフルーツ、柿。
おばあちゃんが食べるようなちょっと懐かしいイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、実は今世界で大人気の食品なんです!
柿にはビタミンC、A、K、B1・B2が含まれ、天然の総合ビタミン剤と呼ばれるくらいビタミンが豊富です。中でもビタミンCはミカンなど柑橘類の2倍もあります。
今回はフルーツが大好きすぎて365日ほぼ毎食フルーツを食べている私が柿の魅力や、食べごろ、オススメの食べ方についてお伝えします!
柿って実は奥深いんですよ~
と、その前に、簡単に自己紹介させてください。私、フルーツサイクリストの吉岡晴奈と申します!味は問題なく食べられるのに、規格外だったり、環境被害を受けて、泣く泣く捨てられてしまうフルーツのことを「ロスフルーツ」と呼び、ロスフルーツをなるべく無くしていきたいという想いが活動の原動力になっています。
これから果樹農家さんの現状や、フルーツの様々な情報を発信し、みなさんと一緒にロスフルーツを減らしていけたらと思っていますので、どうぞよろしくお願いします!
目次
柿が世界から注目される理由
柿は日本のくだものとして外国にも伝わり、日本語表記のまま「Kaki」という名前で親しまれ、スーパーなどでよく見かける果物の一つとなっています。その理由はなぜなのでしょうか。答えは甘くておいしいという理由の他に、健康のための高い栄養価にありました。
では、どんな栄養が詰まっているのか見ていきましょう。
1.柿はビタミンCの宝庫!
ビタミンCの含有量はフルーツの中でもトップクラス。柿一つで成人が1日に必要な量のビタミンCを摂ることができるんです。免疫強化やストレス対策、肌ケアにも役立つと言われています。ビタミンCを多量消費すると言われる喫煙者にもオススメの食材なんだそうです。※1
2.強い抗酸化作用のカロテノイドがたっぷり!
カロテノイドはビタミンCとともに、体を老化させる活性酸素を強く抑制する働きがあると言われており、またカロテノイドの一部はビタミンAへと変換され、目の健康を維持し丈夫な肌を作るのに貢献すると言われています。日本人男性で、亡くなる人が最も多い肺がんのリスクをほぼ確実に下げる効果もあると言われています。※2
3.アルコール分解酵素が二日酔いを予防!
柿の渋み成分であるタンニン(実の黒い色素)が二日酔いに効果があると言われており、胃の中のアルコール濃度が3割近く減ったという研究結果が出ています。体内でアルコールを分解する際にできるアセトアルデヒド(二日酔いを引き起こす成分)がタンニンと結合しやすく、タンニンには体の外に排出する働きがあるんだそうです。※3
柿を食べるタイミングは飲む前、飲んだ後、どちらでも大丈夫です。また生柿でも干し柿でもどちらも効果があるそうなので、二日酔い、悪酔い、酔い覚ましに活用してみて下さい。
※2 人口動態統計2015(厚生労働省)、がん罹患データ(国立がん研究センター)出典
Food, Nutrition,Physical Activity, and the Prevention of Cancer / World Cancer Research Fund(2007)
※3 悪酔いと二日酔いの発現機序からみた柿の実のアルコール酩酊への効果(京都府立医科大学)参照
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1915/71/7/71_7_488/_pdf)
古くから「柿が赤くなれば医者が青くなる」ということわざがあるほど栄養に富んだ食品です。是非手に取ってみてくださいね。
小さな実だけど大きなパワーを持っているんだね!
柿のシーズンはいつ?
柿の旬は9月頃から12月頃まで。10月から11月頃が出荷の最盛期です。この時期は種類も量もたくさん出回るので食べごろのおいしいものを安く手に入れることができます。でも、品種によっては12月が旬の時期のものもあります。
柿って実は、寒さが増して体調を崩しやすい時期に必要な栄養成分を多く含むため、秋~冬の健康管理には最適な食材なんですね。
柿の選び方とオススメの保存方法
この記事を読んでくださっている柿好きのあなたには是非おいしい柿を手に取っていただきたいです。これからおいしい柿の選び方をお話しします。また、柿は追熟するくだものです。おいしく追熟させる保存方法も併せて解説していきます。
おいしい柿の選び方
・ヘタがしっかりとしていて、ヘタと実の間に隙間のないもの。
・果皮の色がヘタの際まで赤いもの
・持つとずっしりと重みのあるもの
・果皮にハリとツヤがあるもの
おいしく追熟させる保存方法
柿はお尻のほうが甘いので、逆さまに保存しておくことで甘みが全体に広がって追熟していきます。
● 完熟で柔らかめの食べごろが好きな方
完熟の柔らかい柿を食べたい方は、日に当たらない場所で常温保存がオススメです。逆さまにして常温のまま置いておくと、3日ほどで実が柔らかくなりはじめます。また、りんごと一緒に置いておくと早く熟します。この方法、実際にやってみたら本当に早く熟しました!その様子をYouTubeに投稿しているので、良かったらご覧ください(^^)
● 固めの食べごろが好きな方
固めの柿が好みで、熟すのを遅らせたい方は、ヘタに濡らしたティッシュやコットンなどをあてて逆さまにし(ヘタが湿らせたティッシュに乗っている状態)袋などに入れて冷蔵庫に入れて保存します。これで2週間から3週間はシャキシャキした状態のまま保存する事ができますよ。
湿らせたティッシュは時間が経つと水分が抜けて乾いてくるので、定期的に湿らせてくださいね!
柿の食べごろ
フルーツが大好きすぎる私が見つけた柿の食べごろは…いつでもおいしい!!でした。
どういうことかというと、シャキシャキした硬い柿も、完熟した柔らかい柿も、どちらにも良さがありとてもおいしいからです!
柿の食べごろは好みによって決まります☆ジャムみたいに柔らかい方が良い、シャキシャキと少し硬めの方が良い、甘い方が良いなど、どんな柿をおいしいと思うかはそれぞれの好みによって違います。柿は熟せば熟すほど甘味が増すので、お好みの食べごろで柿を楽しんでくださいね。
追熟が進むと、本当に腐る一歩手前の完熟という状態になります。中身がジャムみたいに、ドロドロした状態になります。カビが生えたり傷んで異臭などしてなければ、柔らかくなっていても食べられます。
因みに、完熟した時に果皮の表面に白い粉のような物が吹いていたり、ベタベタしてくることがあります。これはブルームという自然現象で、水分の蒸発や病害虫から柿を守ってくれているんです。ブルームは人体に害は無く、むしろ栄養が高まり、よく熟した食べごろの印なのです。
私は硬めと柔らかめの中間ぐらいのジューシーな柿が一番好き!
渋柿の渋を抜く方法
柿は大きく分けて「甘柿」と「渋柿」があります。甘柿はそのまま食べられますが、渋柿は渋さが抜けないと食べることができません。
私は昔、渋柿を大量にいただいたことがあるのですが、活用法を知らずに捨ててしまい、悲しい思いをしたことがあります。この記事を読んでくださっている読者さんは、今後渋柿に当たっても悲しむことがないよう、渋柿をおいしく食べる方法を解説していきますね。
渋柿は干柿にしたり渋を抜くことでおいしく食べられるんです。干柿は家庭でも作ることができるので、また別の機会でご紹介できればと思います。今回は渋を抜く3つの方法についてご紹介していきます。
●りんご法
りんごと一緒にビニール袋に入れておくと、約1週間で渋が抜けて甘くなります。(熟すと渋味が抜けます。)
●アルコール法
柿のヘタを30%~40%のアルコールに浸し、ビニール袋に入れて1週間置くと渋が抜けます。焼酎が便利です。
●ドライアイス法
柿の温度を20℃~25℃に保ち、ドライアイスの炭酸ガスが充満する中で24時間密封すると渋みが抜けます。
オススメの食べ方
熟し具合でバリエーション豊かに楽しめる柿ですが、実は食材としても万能なんです。
白和え、てんぷら、酢の物、サラダ、ピューレ、ジャム。柿を取り入れることで料理の幅が広がりますよ。なじみのない方はちょっとびっくりするかもしれませんが、機会があれば試してみてください。
柿が熟れすぎてしまい、「しまった!食べごろを過ぎてしまった!!」となった時や、スーパーに見切り品として安く売られている時には大きなチャンス。完熟の柿で作るおいしいメニューを3つ、クックパッド『ハル☆フルレピ』に載せました(^^)
動画でも解説しています(^^)
動画でも解説しています(^^)
ロスフルーツを減らすことにも繋がるメニューとなっています。たくさんもらったり、買いすぎて食べごろを逃しちゃった時には是非実践してみてください。
食べごろを過ぎても捨てずに済むね♡
他にも、普段捨ててしまう皮をカピカピに乾燥させ、ミキサーなどで粉砕したものを、カレーなど料理に使うと優しい甘みの調味料としても活用できますよ。
カット方法
まずヘタと実の間にナイフを入れ、ヘタを取ります。
柿のお尻を見ると、4本の線があります。その線に沿ってカットすると、ナイフが種に当たることなくカットできるのでぜひやってみてくださいね!
カット方法は動画でも解説しています。よかったらご覧ください(^^)
食べ過ぎに注意
柿の渋み成分であるタンニンを摂りすぎてしまうと、血液中の鉄とタンニンが結びつき、鉄分の吸収が妨げられ冷えや貧血を引き起こしてしまうことがあります。元々貧血気味な方は特に食べる量に気を付けくださいね。また食べ過ぎると便秘の症状が出てしまう事もありますので、柿は1日に1~2個くらいにしておきましょう。
まとめ
柿の栄養面や食べごろ、おいしい食べ方についてお話ししてきました。華やかなフルーツも多く出回る中、一見地味な印象の柿ですが、栄養化の面では負けていないことがわかりましたよね。
デザートとしてだけでなく、料理にも活用することができ、皮まで食べられる万能食材。日本の健康を昔から支えてきた「柿」、その効果をもう一度見直して、この記事を読んでくださった方が今まで以上に柿を楽しんでいただけたら嬉しいです!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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